マル秘!生保活用のすべて
確定申告シーズン到来で、お客様からは申告関連資料が続々到着しています。中には、生命保険料控除証明書が10通以上という方まで・・・。とりあえずお付き合いで保険に加入したら、「いつの間にか増えてしまった」ケースも多いようですが、この時期はご自分がどのような保険に加入しているかの、全体像を把握するチャンスです。この機会にわが家の保険契約を見直してみましょう。
わが家の「保険見直し」のタイミングはいつ?
保険の加入目的は、病気になったときの保障、死亡時の遺族保障、相続対策など、人によって様々です。保険は預金とは似ているようでまったく違うもの。保険料を支払っていても、解約したらお金が戻ってこない保険(掛捨て保険)、当初の大きな死亡保障の期間が満了し、今後の万一の際にはわずかな死亡保障だけの保険(定期付き終身保険)などがあります。
つまり、「ご自分にとって必要な目的に応じた生命保険を選ぶ」ことが大切に。保障目的は生活スタイル(家族構成など)の変化に影響を受けますので、生活環境が変わったら保険も見直したいものです。
皆さんのお宅では、こんなタイミングが保険の見直しのチャンスといえます。
● 結婚や離婚のタイミング
・結婚のタイミング
遺族保障としての死亡保険金の額は足りているか、受取人は配偶者に切り替えたかがポイントに。
・離婚のタイミング
上記同様、死亡保障の必要額の見直しや受取人の変更(ご自身やお子さん)は忘れがちです。
また、離婚後ひとりで子育てのケースでは、支払能力との相談ですが”子どもの独立”までの保障は確保できるようにしておくことも検討しましょう。
● 出産のタイミング
家族が増えれば必要な保障も変わります。保険の見直しと共に、保険料負担も増えることを忘れずに。
とはいえ、共稼ぎの妻が退職すれば生活費にも余裕がなくなります。支払能力との兼ね合いで、生命保険自体を見直す必要が。保障重視なら、保険料を減らしても保障を減らさずに済むこともできます。
● 子どもの独立のタイミング
子どもの独立で、家計の負担は大きく減ることに。夫婦の生計維持が目的なら、死亡保障を必要な範囲に減らして、保険料負担を軽くし、生活をエンジョイする資金に回せます。
● 定年退職などのタイミング
年金生活では「収入保障のような保険」は不要です。また、高額な死亡保障や医療保障も見直して、保険料負担を軽くする余地が生じます。個人年金保険・養老保険などでは、保険金を受け取る時期にさしかかるため、保険料負担が自動的に減少するなど大きく変化する時期です。
● 相続対策を検討するタイミング
自宅や自社株を遺せない家族(妻や後継者以外の子ども)にもお金を遺したい、納税資金を遺してやりたいなど、相続対策としても生命保険を幅広く活用できます。
相続対策では必要とされる死亡保障額を試算し、途中解約せずに済むよう、保険料も支払い続けられる前提での加入がポイントです。
これが見直しの際のポイントだ!
◆ 保険契約の棚卸しをしよう!
加入済みの保険契約を、★死亡保障、★入院・通院給付、★病気の保障、★休んでいるときの収入補償などで分類してみましょう。また、それらが誰のための、何を目的とした保険なのか、いくらの保険金などが出るのかを自分で把握しておくことが最も大切です。
実際、ほとんどの方は自分がどのような保険に、どの程度加入し、年間どのくらいの保険料を支払っているかをご存じありません。そこで、加入中の契約が今・将来必要か、保障内容のダブり、保険料が多すぎるなど、見直せば保険契約をわかりやすく整理ができ、どんな保険に加入していたかは一目瞭然に。
また経営者なら、会社で加入の保険との重複確認も大切です。個人と会社とを関連づけて、限りある原資を上手に活用したいものです。
● 保険料に焦点を合わせる!
月払保険料は小さくみえますが、一年間ではかなり大きなお買い物。もちろん一年では済みません。数十年続く、きわめて高額な買い物になります。
生命保険文化センターの調査によれば、年間保険料(個人年金保険の保険料を含む)は男性で平均22.8万円、女性で平均17.4万円です。男性が30年間この保険料を支払い続けると684万円にも上り、マイホーム購入に次ぐ大きなお買い物ということに。保険料が将来への備えとして「多いのか、少ないのか」を見直す必要が。
なお金額の分布(下図)では、男性は「12~24万円未満」、女性は「12万円未満」が最も多くなっています。
保険料は契約内容の見直しでかなり調整できます。どの保障を抑えれば保険料を引き下げられるのか、一部解約で保険料はどの程度減るかなど、具体的には保険会社や代理店へ相談すれば試算してもらえます。またきちんとした代理店なら、保険証券などの資料を提示すれば「見直しの余地や負担の軽い新たな保険契約への加入」もOKです。
● 解約返戻金にも目を配る!
加入中の保険契約は、「解約返戻金のチェック」も大切です。預金は預けた元本にわずかな利息が上乗せされて戻ってきますが、保険は契約の内容により解約返戻金が大きく異なります。解約返戻金のある保険契約でも、契約期間の途中までは解約返戻率が高く、保険料(累計)の9割以上のお金が戻ってくるものの、それ以後は返戻率が下がり、最終的には解約返戻金がゼロになる保険もあります。こうした保険では、解約のタイミングに注意が必要です。
◆ 無保険状態では、自分も家族も守れない!
保険契約を見直す場合(解約して新規契約)、解約前に”新しい契約に加入する”ことがポイントです。保険に入っていない状態(無保険状態)で万一の状況(死亡事故など)となれば、保険金が得られず、生活自体が守れない”大変な事態”に陥りかねません。
また独身で気軽だからといっても、病気入院なども考えられます。ご自分のためにも、最低限の保障は確保しておきましょう。
なにごとも”整理する”にはエネルギーが必要ですが、保険証券の整理は”相続対策”にも必須です。何かあったときにご家族が困らないように、一度はリストアップしておくことをお勧めします!