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”暑さ寒さも彼岸まで”のとおり、桜の開花も宣言されるなど、春の訪れを体感できる時期となりました。
コロナ禍で外出もままなりませんが、3月20日(土)に迎える「春分の日」にまつわる話をご紹介しましょう。
毎年違う”春分の日”はどう決める!?
● ”春分の日”は何をする日?
”春分の日”の前後3日間(計7日間)を「春のお彼岸」といい、ご先祖の供養を行う時期とのこと。1948年制定の「国民の祝日に関する法律」第二条では、”春分の日”は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」とされています。
ちなみに、お彼岸は秋にもあり、”秋分の日”は「祖先を敬い、偲ぶ」で、両日は共に「すべてに敬愛の念をもつ」大切な日だそうです。
● ”春分の日”はどのように決める!?
”春分の日”は太陽の動きによって決められる世界でも珍しい祝日だそうで、国立天文台が計算して翌年分が前年2月1日付官報で発表されます。複雑な天文計算が使われますが、3月20日か21日が通例のようです。
ちなみに、来年の”春分の日”は3月21日(月)と発表済みです。
● なんと、明治時代も休日だった!
”春分の日”は、皇室も歴代天皇や皇后、皇族の御霊を祀る儀式の日でもあり、戦前まで「春季皇霊祭」と呼び祝日で、いまのように休日でした。
あなたは”おはぎ派”、”ぼたもち派”?
春と秋のお彼岸にはあんこでお餅(もち米)を包んだ和菓子が食されますが、材料や見た目が一緒でも、呼び名が”おはぎ”、”ぼたもち”と違うのは何故でしょう?
● 名前の違いは”季節”と関係が!
春のお彼岸に食べられる「ぼたもち」の由来は「牡丹餅」。春のお彼岸は牡丹の花が咲く時期にあたり、その頃に食するのでこう呼ばれるようになりました。一方、秋のお彼岸には「おはぎ」が食され、その由来は秋の七草の「萩の花」がおはぎのつぶあんの”小豆”の形が似ていたので、萩の花に見立てて、呼ばれたとか。
● 使うあんこの違いも”季節”に関係あり!
一般的に「ぼたもち」には”こしあん”、「おはぎ」には”つぶあん”が使われています。違いは小豆の収穫時期に関係があり、秋の収穫時期に作る「おはぎ」は小豆の香りや皮の柔らかさを活かした”つぶあん”で食し、「ぼたもち」は収穫から時間が経ち、食感を考えて硬くなった皮を除いた”こしあん”を使っていたそうです。今は小豆の品種改良や保存技術の発達で年中”つぶあん”も楽しめるので、違いが無くなったようです。
お彼岸には、ご先祖の供養と家族の将来を考えよう!
お彼岸には、先祖を敬い故人を偲んでお墓参りや、気持ちも新たに仏壇に手を合わせる方も多いのでは。
「彼岸」は、「あの世」を意味する仏教用語で、私たちが暮らす「現世」は「此岸(しがん)」と呼ばれており、煩悩(ぼんのう)や迷い、苦悩の溢れる場所といわれています。お彼岸にあたる春と秋の7日間は、この世の煩悩や迷いを捨て、自分自身を見つめながら善行を通じて、先祖や仏様に感謝をする大切な日だそうです。
日中はずいぶんと過ごしやすくなったとはいえ、21日まで一都三県では”緊急事態宣言中”でお墓参りもままなりません。こんなときほど、ご先祖のファミリーヒストリーを探ったり、家族の将来(相続)について改めて考えるよい機会としてはいかがでしょう。