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国外でも、国内でも、財産は隠さず活かそう!

2020年3月4日

 海外に財産を持つ方が飛躍的に増えた結果、6年前から富裕層への課税強化策として「国外財産調書」の提出制度が始まりました。その後の「国外財産調書」の提出状況がどのような推移を辿ったのか、その実態などをチェックしてみました。

提出者は1万人弱で、国外財産は総額3.9兆円に!

 初回の提出は2013年分からで、海外に持つ有価証券、預貯金、不動産などが時価で5,000万円超の方が、税務署への報告が義務づけられました。
 国税庁の発表では、2018年分の国外財産の総額は3兆8,965億円(下表)でした。この制度の初年度は2兆5,142億円で、この間に55%増(1兆3,823億円)と大きく増えました。また、2018年分の国外財産調書の提出者数(富裕層)は9,961人で、2013年比4,422人増(79.8%増)と、1万人突破も目前に!

提出者数が倍増はホント!?

 上述のように6年間で提出者数が8割増に急増しましたが、その背景には税務署の次のような動きがあったようです。とはいえ、日本人の富裕層は2017年で約127万人(野村総合研究所の推計値)とされていることを考えると、提出者がわずか1万人弱では解せないところです。
◆ 税務署からの問い合わせに注意!
 税務署では国外財産調書制度の周知を図るばかりでなく、富裕層のうち国外財産調書の提出が見込まれる人へ”文書照会(問い合わせ)”を行って、調書提出への啓蒙もしています。ポイントは、税務署による「提出が見込まれる人への”文書照会”」です。実は、税務署では諸外国との非居住者金融口座情報交換制度などの情報を元に、ある程度、対象者の目星を付けた上で問い合わせしているようです。
 つまり、税務署はわかった上で問い合わせてきており、隠してもムダということに。

◆ 調書の提出もれの罰則は、“アメとムチ”に?
 虚偽記載や提出もれの罰則は「1年以下の懲役か、50万円以下の罰金」とされています。
加えて、適切な記載と提出を促すために、税務調査で虚偽記載や提出もれが発覚した場合、次のような”アメとムチ”を用意しています。
● アメとは
 国外財産調書に記載した国外財産の金額が少なかったケースでは、所得税・相続税の加算税が5%軽減(軽減措置)されます。
● ムチとは
 調書を提出しなかったか、調書に記載ない財産が申告もれとなれば、所得税についてのみ加算税が5%上乗せ(加重措置)されます。ちなみに、2018年分では5%上乗せされた申告もれの金額は112億9,380万円と、2017年比で2.2倍にも上っており、隠してもあとで見つかれば上乗せの加算税分だけ損することに。
また、2018年の上乗せ加算税の対象申告もれが1件当たり4,609万円(前年比75%増)となったことからも、税務署による富裕層の財産把握が進んでいる様子がうかがえます。
 国外財産調書の作成はかなりの手間ですが、適切に記載してご自身や相続人にはマイナスはありません。国外財産が多くあり、複雑なら、専門家に相談のうえ提出されることが大切です。

高所得者は、もうひとつ財産報告義務が!

 富裕層では、国外財産の報告の他に「財産債務調書(その年の12月末日現在の財産の明細、数量、評価額等をまとめた書類)」を所得税の確定申告期限までに提出する義務があります。
税務署への提出義務は、次の2つの両方に合致する納税者です。
 ● 所得:2,000万円以上
 ● 年末時点で、総資産:3億円以上 or 有価証券:1億円以上(時価) を所有
 こちらは、2015年分から提出が始まった制度で、提出義務があるのに提出していないと思われる人へ税務署が確認作業を行っています。この「財産債務調書」も国外財産調書と同様に、加算税について特例措置が適用されるので注意が必要です。
 「隠すより、財産は堂々と活かして使う!」、これがキーワードの時代になったようです。

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