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生産緑地の2022年問題って何?

2017年11月29日

 東京を始め都市部の郊外に多くみられ、”固定資産税の優遇”や”相続税の納税猶予”といった恩典付きの特殊な土地の「生産緑地の2022年問題」についてご案内しましょう。実は、生産緑地は早ければ2022年にもこれら恩典がなくなるのです。

「生産緑地」とは何?

 生産緑地は、都市部農地の宅地化を促進するために1974年公布の”生産緑地法”を起源としており、その後”都市部でも農地は必要”との考えから1992年に生産緑地法の改正に伴って、都市部で保全すべき農地として「生産緑地」が制定されています。
◆ 生産緑地には固定資産税と相続税の優遇制度が
 生産緑地にはつぎのように2つの優遇制度があります。
● 固定資産税の優遇制度
 固定資産税の税率が一般宅地の200分の1に軽減されます。つまり、ほとんどゼロに近いイメージに。
● 相続税の納税猶予制度
 生産緑地(農地)を相続して、引き続き農業を営んでいると相続した農地の一定の相続税額が猶予され、さらにその相続人の死亡時には猶予された相続税が免除されるという制度です。納税猶予と入っているものの、事実上相続税が免除される結果になる意味では不公平な制度とも言えます。
 またこの指定を受けるためには、面積が500㎡以上であり、都市部の指定された地域にある農地といった条件があります。

◆ 農地以外には使えない!
 生産緑地の趣旨や恩典から農地以外への転用や転売はできず、地方自治体の農業委員会への買取りの申し出も、つぎのケースを除いてはできないとされています。
 ● 生産緑地の指定後30年を経過したとき
 ● 土地所有者が病気で農業の継続が困難なとき
 ● 土地所有者の死亡で相続した者が農業に従事しないとき

生産緑地の2022年問題って?

 上述の改正生産緑地法で1992年に生産緑地に指定された農地が、30年後の2022年になると一斉に地方自治体に買取りの申し出ができて混乱が生じかねないことから「生産緑地の2022年問題」として茶の間の話題に上り始めています。
 実際には、地方自治体には買取り申し出のあった生産緑地すべてを買い取る財政余力はなく、他方で農業後継者が不在なら、多くの農地は生産緑地の指定解除で、不動産市場に出回るのではといわれています。
◆ 税負担の急増!
 一見、地主にとって生産緑地の指定解除はメリットが多そうですが、実は固定資産税の優遇措置が受けられなくなり、一般宅地レベルの固定資産税がかかってくる羽目に。さらに、地方自治体に買取りの申し出が受理された時点で相続税猶予額と利子税(猶予期間の利子)の支払いも生じてきますので、金銭的に立ち行かなくなる恐れすらあるのです。
◆ 地価急落の可能性まで!
 生産緑地指定されている農地は意外に多く、国土交通省の「都市計画現況調査2015年版」によるば、生産緑地は全国で1万3,442ヘクタール(東京ドーム約2,922個分)とかなりの広さに。
 固定資産税の負担が急増すれば、土地売却か、賃貸住宅の建設で税負担を軽くするといった動きが加速して、不動産、特に住宅用の土地建物の供給過多で、地価や賃料の下落要因になることが想定されます。

2022年問題への対策は!?

◆ そのまま農業を続ける!
 まず第一に、買取りの申し出をしないで農業を営み続ける選択肢が考えられます。今後とも営農する前提のため、相続人(後継者)も含めて相当の覚悟が必要になりそうです。
◆ 売却の検討!
 第二は、売却する選択肢です。売却するなら、測量や境界確定などの事前準備を進めておくことがポイントです。つまり、生産緑地の指定解除になればすぐに売却できるようにしておくのです。売却に手間取れば、それだけ負担増や地価下落リスクが高まるためです。
◆ 収益物件の敷地として活用!
 所有を続ける意向なら、猶予分の相続税等の納税資金を用意しなければなりません。早い時期に賃貸物件の建設や他の活用方法を検討されて、土地を活かす工夫が欠かせません。

 生産緑地の所有者にとっては、2022年を境にどのような土地活用がベストかを今から考えておかないと、その時期がやってきたときには大変な事態になりかねません。また、読者の皆さんにとっても大きな影響が生じる可能性もあります。生産緑地が不動産市場で売買されるようになれば、それでなくとも2020年に東京五輪後の不動産価格の下落が不安視されているところ、それにさらに拍車をかけかねない動きまで・・・。
 不動産をお持ちの方も、購入などを検討されていればお持ちでない方も、生産緑地問題には注目していても良さそうです。

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