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意外と複雑なクラウドファンディングと税金の関係!

2017年4月26日

 前回の「クラウドファンディングの種類や仕組みなど」に続いて、今号ではクラウドファンディングのつぎの3つのタイプの税金の取り扱いをご紹介しましょう。3タイプは、”プロジェクトオーナー(資金調達者)”が”支援者(出資者)”に”どのようなリターン”をするかにより、分類されます。
 ★ 購 入 型 : 商品やサービス(金銭以外)などのリターンあり
 ★ 寄 付 型 : リターンなし
 ★ 出資(投資)型: 金銭のリターンあり
 利用したいクラウドファンディングがどのタイプに当てはまるのかで、税金の取り扱いに有利不利が生じますので、事前にその点のチェックも重要に。

購入型クラウドファンディングの税務

 購入型クラウドファンディングは支援(出資)によって”商品やサービスのリターンが発生”するので、「売買取引」として取り扱われます。
◆ プロジェクトオーナー(資金調達者)の税務
 プロジェクトオーナーが個人事業者なら所得税、会社なら法人税の対象とされます。具体的には、資金調達時:前受金処理、商品やサービス提供時:前受金から売上に振替処理をします。クラウドファンディングの対象プロジェクトに関連するコストは費用(経費)として計上できます。
 ただし、オーナーが得た出資額が支援者へのリターンに比べてあまりにもかけ離れて高額であれば「支援者(出資者)からの寄付」とみなされて、”寄付型クラウドファンディング(後述)”としての取り扱いとなるため、注意が必要です。

◆ 支援者(出資者)の税務
 支援者(出資者)は、つぎのタイプごとに税務の取り扱いが変わります。
● 個人事業者ないし法人
 支援(出資)で得られるリターンが事業に関係するなら”費用(経費)”として計上できます。
● 個人事業者以外の個人
 消費者がリターンの商品やサービスを購入したのと同じことですので、確定申告の必要はありません。

寄付型クラウドファンディングの税務

 寄付型では、当事者(オーナーと支援者の両方)が法人か個人かによって税務の取り扱いが異なるうえ、複雑になっています。
◆ ケース1:”プロジェクトオーナー(資金調達者)=個人”、”支援者(出資者)=個人”
● プロジェクトオーナー(資金調達者)=個人の税務
 寄付を受けるため、目標額が110万円を超えると「贈与税」の対象に。一方、プラットフォーム(運営者)(注) に支払う手数料は寄付型では費用(経費)にはなりません。注意が必要です。
 (注)クラウドファンディングの取り扱いを行う運営者を意味します。
   プロジェクトオーナーはプラットフォームに申し込んで資金調達を行うことになります。
● 支援者(出資者)=個人の税務
 このケースでの寄付は、所得税の寄付金控除やふるさと納税のような特別控除の対象にもなりません。

◆ ケース2:”プロジェクトオーナー(資金調達者)=個人”、”支援者(出資者)=法人”
● プロジェクトオーナー(資金調達者)=個人の税務
 寄付を受けるため、一時所得として所得税がかかります。具体的には、資金調達額からプラットフォーム(運営者)への手数料を費用(経費)として差し引き、さらに50万円の特別控除を差し引いた金額を対象に、所得税がかかります。
● 支援者(出資者)=法人の税務
 寄付金は、損金算入限度額の範囲内で費用(経費)として計上できます。

◆ ケース3:”プロジェクトオーナー(資金調達者)=法人”、”支援者(出資者)=法人”
● プロジェクトオーナー(資金調達者)=法人の税務
  寄付として受け取った金額が”受贈益”として法人税の対象となり、他方、プラットフォーム(運営者)への手数料は費用(経費)として計上できます。
●支援者(出資者)=法人の税務
  ケース2と同様です。

◆ ケース4:”プロジェクトオーナー(資金調達者)=法人”、”支援者(出資者)=個人”
● プロジェクトオーナー(資金調達者)=法人の税務
  ケース3と同様です。
● 支援者(出資者)=個人の税務
  原則ケース1と同様ですが、プロジェクトオーナー(資金調達者)が被災地への義援金など(特定寄付
 金)を目的としているケースでは寄付金控除できる余地もあります。

投資型クラウドファンディングの税務

 投資型クラウドファンディングのうち、貸付型やファンド型では”匿名組合契約”を用いて組成されることが多くなります。
 ”匿名組合契約”は、資金を集めて事業を行う”営業者(個人または法人)”と”資金の出し手(匿名組合員)”との契約をいい、営業者はこの契約に基づいて資金を集めて、事業で得られた利益を匿名組合員に分配します。

◆ 営業者の税務
● 営業者が個人のケース
 匿名組合員に分配する利益の額は、営業者の組合事業の経費となります。
● 営業者が法人のケース
 匿名組合員に分配する利益もしくは負担させる損失の額がそれぞれ営業者の損金もしくは益金の額に算入されます。

◆ 匿名組合員の税務
● 匿名組合員=個人のケース
 営業者からの利益の分配金は雑所得として、所得税の対象とされます。
● 匿名組合員=法人のケース
 個人と違い利益の分配のときでなく、匿名組合の計算期間の損益(匿名組合員に配賦される金額)が法人の各事業年度に計上する損益となります。ただし、「匿名組合損失の損金不算入」という特例計算により、損金計上できる限度額が設けられていますので、注意が必要です。

 100万円を超える目標額の成立が増加しているなか、クラウドファンディングの”タイプ”や”どの立場”から行うかによって、税法の取り扱いは大きく変わります。クラウドファンディングを始める前に、十分にその仕組みと税務について十分に理解しておくように心がけましょう。

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