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申告期限延長で6月の株主総会ラッシュは解消!?-2017年度改正案より

2017年2月22日

日本企業の決算は忙しい!

◆ 海外企業よりずっと短かい決算期間!
 下図(経済産業省資料)によれば、日本は「決算日から株主総会までの期間は3ヵ月以内」ですが、欧米では6ヵ月、8ヵ月がざらです。 決算日から株主総会の期間は、(上場会社などでは)監査を受けて株主への報告準備をしている期間ですから、その期間が短い日本企業ではその準備期間が不十分と考えられてきました。
 また別の資料によれば、株主招集通知から総会日までの期間も日本は2~3週間に対し、欧米では1~2ヵ月となっています。このため、日本企業の株主は議案を検討する期間が非常に短く、適正な議決権行使がしにくいともされていました。

◆ 議決権行使の基準日から株主総会まで
 議決権行使の基準日から株主総会日までの期間の定めは、英国では2日以内、ドイツでは21日前などに対し、日本では3ヵ月と異常に長い状況にあります。
 事業年度終了日時点の株主が3ヵ月後の総会で議決権を行使することとなるため、事業年度後に株式を売却したにもかかわらず、株主でなくなっていても議決権を行使できるおかしなことに。また、同時期に株主になっても議決権が行使できない実態も問題視されてきました。

事業年度終了後6ヵ月後まで延長可能に!

 こうした実態をふまえて、遅まきながら2017年度税制改正大綱で”法人税の申告期限を事業年度終了後6ヵ月後まで延長可能とする”という項目がリストアップされました。3月決算法人なら、原則的な法人税の申告期限は2ヵ月後つまり5月ですが、これを4ヵ月後の9月末まで延長できるということに。このことは、事業年度終了後に開催の定時株主総会も最長9月末まで延ばせるわけです。現状は、上場会社のほとんどが1ヵ月延長の特例を使って6月末に定時株主総会を開催しています。
◆ 申告期限を延長する要件
  申告期限を延長できる企業の要件は2つです。
 ● 会計監査人を置いていること(監査が必要とされる大企業のみ)
 ● 定款等の定めで、事業年度終了日後3ヵ月以内に決算定時総会が招集できないこと
 改正案が国会で承認されれば、この特例を使う企業は定時株主総会を7月、8月、遅いところでは9月に開催となります。来年の定時株主総会は分散することも十分考えられます。

◆ 手続きは「定款変更と税務署への届出」のみ
 申告期限延長には定款で定められた”株主総会開催日の変更”が必要です。定款変更決議は株主総会の特別決議事項となるため、申告期限延長したい企業はこの6月の定時株主総会で決議しておく必要があります。
 また、税務署や自治体への届出も必要となります。書式などは改正確定後には発表されることでしょう。

納税の期限は変更ないので、ご用心!

● 法人税などは”見込み納付”での概算払いがポイント!
 今回の改正によっても申告期限を延長できるのは「法人税」だけで、それも”納税の期限”ではありません。事業年度終了後2ヵ月以内の納期限までに納付できなければ、利子税年1.7%(2017年末まで)の対象となってしまいます。
 申告書が間に合わないなら、”見込み納付”の仕組みを利用して、法人税、住民税、事業税などは概算で計算して、この概算額を納付して利子税を最小限にするか、若干多めに納付してかからないようにするのが通例です。
● 消費税の申告期限は延長の対象外に!
 申告期限の延長は法人税、住民税、事業税だけが対象で、”消費税は対象外”にも注意が必要です。消費税だけは、事業年度終了後2ヵ月以内に申告書を提出し、同時に納税しなければなりません。1日でも申告期限を過ぎれば「期限後申告」、申告しなければ「無申告」となり、(上記利子税より高率の)加算税がかかってきます。

中小企業での活用余地は?

 大規模未上場会社を除けば、”会計監査人”に依頼するケースはほぼなく、今回の延長特例は使えそうにありません。
● 中小企業向けにも使える「申告期限の特例」
 大企業ばかりでなく、中小企業にも使える「申告期限の特例」がすでに存在しています。この制度は、申請するだけで申告期限を1ヵ月延長できるというもの。具体的には、所轄の税務署、地方自治体へ「申告期限の延長承認申請書など」を届け出ることで、法人税、住民税および事業税について申告期限を1ヵ月延長できます。決算日後2ヵ月以内に決算が確定しない会社があることに配慮し、1ヵ月間の猶予を与える制度です。
● 意外に1ヵ月の延長特例を使っていない中小企業が多い!
 古くからお付き合いのある税理士・会計士だと、こうした届け出をせずにやっていることも多いのです。実際問題、事業年度終了後2ヵ月以内に決算・申告をまとめるのは大変な作業であることへの理解も必要です。期限後申告にならぬための備えとして、届け出の状況を確認されるようオススメします。
 また、現行の1ヵ月延長制度は改正後も残りますので、もし届け出をしていなかったという中小企業はいまのウチに申請書などを提出しておかれるとよいでしょう。参考までに、延長申請書の提出期限は「事業年度終了の日まで」ですから、2月、3月決算法人の場合はお早めに!

関連キーワード: 法人税 | 株主総会 | 申告期限の延長
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