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税制改正要望って、個人にメリットあるの?
各省庁の来年度の税制改正要望が発表されました。どんな要望が出ているのかチェックしてみましょう。
◆ 医薬品購入費の所得控除制度
厚生労働省からは、要指導医薬品及び一般用医薬品を年間2.5万円以上購入した世帯に、購入費用を対象として所得控除の制度を創設する要望が出ています。医療費控除の薬品版というところでしょうか?厚労省には、投薬で治癒できる状態でも安易に通院するケースが後を絶たないため、医療費負担を抑えようとの狙いがありそうです。
医療費控除が上限200万円を超えている方では、別途新制度が使えればメリットがとれるケースもありそうです。
◆ ”ベビーシッター代”が必要経費になる!?
改正要望は、「ベビーシッター代を特定支出控除(給与所得の必要経費=給与所得控除)に含められるようにする」というものです。話題にはなったものの、利用できる人は少なそうな項目です。
一般的に給与所得控除は”収入に応じて概算で計算”するものの、特定支出控除では”通勤費、図書費、研修費など実費を集計して控除”します。ちなみに、概算額(給与所得控除)が実費を上回るケースは限りなく少ないのが現実です。
また、ベビ-シッター代の相場は1時間あたり2,000円から3,000円程度で、毎日8時間預けると35万円から50万円の負担となります。臨時で利用するケースはありそうですが、一般的なサラリーマン家庭での利用(人数や金額)も少なさそうです。
中小企業にとってメリットのある改正要望は?
◆ 法人税率はどこまで下がる?
経済産業省では現在32.11%の法人税の実効税率を、2016年度には20%台に引き下げる要望を出しています。
昨年の改正で税率20%台を目指すとありましたが、前倒しで進める姿勢のようです。海外企業の日本誘致を促進し、日本企業の国際競争力を高めることを期待したものですが、どこまで効果が出てくるでしょうか?
◆ 企業版ふるさと納税制度
東京など大都市に偏る法人税収の配分を目的に、人気のふるさと納税の法人版を創設するという要望です。現行、企業が自治体などへ寄付すれば「損金」として認められますが、改正が通れば、法人税や地方自治体への法人住民税から寄付した額の一部を控除でき、税負担が減るということとなります。
法人数が多い東京などの自治体にとっては減収要因となる内容ですが、安倍政権の目指す地方創生を推進するねらいもありそうです。