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富裕層をターゲットにした”財産債務調書”!

2015年4月15日

 最近の税制改正は、”富裕層への課税強化”へと舵を取っている傾向が見受けられます。2015(平成27)年度の税制改正でも富裕層をターゲットにした改正が実施されました。今回は、富裕層の財産を把握したい税務当局の思惑が見え隠れする”財産債務調書”制度についてご紹介しましょう。

「財産及び債務の明細書」から「財産債務調書」へ

 耳慣れない「財産債務調書」は、いままで所得金額2千万円超の人が確定申告書と一緒に提出していた「財産及び債務の明細書」の名称が変わったものですが、下表のようにその提出基準や記載事項については大きく見直され、まともにやるには税理士などの専門家を動員する必要があるケースも。

◆ 提出基準は緩和に!?
 いままで年間所得金額が2千万円超で、「財産及び債務の明細書」を提出していた方でも、今後は、所得2千万円超に加えて、3億円以上の財産か1億円以上の有価証券等がなければ「財産債務調書」の提出は不要になります。ただこれほどの富裕層は対象となる財産をお持ちの方が多いため、外れる方はそう多くないのでは。
◆ 調書への記載事項ははん雑に!
 これまでの明細書への記載事項に加え、個々の財産の所在や持っている有価証券の銘柄名を記載する上、財産の価額は、原則「時価」での記載となります。何が時価なのかがポイントになりますが、具体的につぎのようになり、実際の記入にあたってはかなりの手間がかかりそうです。
● 有価証券(上場株式など)
 上場株式などの有価証券は、銘柄ごとに保有数や時価、さらに取得価額のほか、保管を委託している金融機関の所在地も記入要件とされています。つまり、上場株式なら、12月30日の終値を記入するようになります。
● 不動産・非上場株式(自社株など)

 土地や建物などの不動産や自社株に代表される非上場株式についても原則「時価」での記載ですが、”見積価額でもOK”とされています。
 では見積価額について、具体的にみてみましょう。
★ 事業所得の基となる棚卸資産なら
  衣料品や薬品の販売業なら、 12 月 31 日時点の「在庫(棚卸資産)の評価額(=通常は簿価)」
★ 不動産・事業・山林・雑所得の減価償却資産なら
  建物、機械設備などの減価償却資産の 12 月 31 日時点の「償却後の価額(=通常は簿価)」
★ 上記2種類の財産以外なら
   12 月 31 日時点の「財産の取得価額や売買実例価額などを基に、合理的な方法で算定した価額」
  ただ「国外財産調書」では、相続税評価額(財産評価基本通達により評価した価額)でも差し支えないとしており、「財産債務調書」でも同様に相続税評価額と考えるのが自然です。

加算税等の特例は、調書の提出を促す”アメとムチ”

 きちんと記入された財産債務調書の提出を促すために、税務調査などで課税漏れなどの誤りがあったケースでは、財産債務調書への記載の有無で、加算税等の特例として5%の加重・軽減を設けています。
 全体としてみれば、「財産債務調書」を提出しなければならない人は減る方向となりますが、記載事項などをみるとかなりの事務負担を強いられそうです。さらに、この調書の提出者は、今年度の税制改正の一つである「出国税」(注)の潜在的な対象者として税務当局に財産を把握されことになり、富裕層にとってはなんとも頭の痛い手続きと言えそうです。
(注)「出国税」=「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例」
 2015(平成27)年7月1日以降に国外転出をする居住者が、出国時に、時価1億円以上の有価証券などを持っていれば、出国時に時価で譲渡したものとみなして”その含み益に課税”する制度。

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