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中小企業にも飛び火!?大企業の「欠損金の繰越控除」に制限が!

2015年4月8日

 税制は何らかの形で毎年見直されています。その見直しで、2015(平成27)年度税制改正大綱に「実効税率の段階的な引き下げ(減税措置)」と「その減税の財源確保のための課税対象の拡大策(増税措置)」が盛り込まれました。
 増税措置の”課税対象の拡大策”の一つとして、大企業(資本金1億円超)に限ってはいるものの、「繰越欠損金の控除の制限」が加わりました。今は、大企業のみの適用ですが、国の財政状況を考えると、中小企業にもこれを拡大してもおかしくありません。
 そこで今回は「繰越欠損金の控除の制限」と、”知っておいて損のない中小企業における繰越欠損金の有効な活用法”をご紹介しましょう。

”欠損金の繰越控除”ってなに?

 会社が赤字決算となったケースに使える制度で、赤字(欠損金)を翌期以降に繰り越して、将来の黒字(所得金額)と相殺して、将来の納税負担を軽くできるものです。
◆ 欠損金の繰越控除制度の見直し
 今回の税制改正で、大企業の欠損金の繰越控除は最終的に”黒字額の半額までしか使えない”という
制限が設けられました。現在、黒字に対する控除限度額が「課税所得の80%」のところ、2015年度から65%に、さらに2年後の2017年度からは50%まで、段階的に引き下げられることに。
 つまり、過去の赤字が当期の黒字を上回っていても黒字の半分しか引けず、残りの半額は納税の対象となってしまうわけです。

◆ 欠損金の繰越期間の延長
 繰越し控除限度額が制限される一方で、中小企業を含めて、「欠損金の繰越期間を10年(現行:9年)に、1年間延長」になります。たった1年の延長で、黒字の半分が課税対象では、大企業もつらいところです。先進諸国でも、繰越欠損金の控除期間に制限のない国(英国、フランス、オーストラリアなど、米国は20年間)もあり、税金は取れるところから取ろうという考えなのでしょうか。
◆ 新設法人などには新たな仕組みが!
 大企業、中小企業問わず、新たに起業した会社(新設法人)は赤字先行になりやすいもの。こうしたベンチャー企業などは、設立から7年間、欠損金を100%控除できる仕組みを導入することに。

中小企業への飛び火は明らか。欠損金を有効に活用しよう!

 この制度は、中小企業といえども10年の期間制限があります。また、遠くない将来、中小企業にも同じような網(制限)がかけられる可能性も!
 いまの法人税等の負担率の高いうちに、欠損金の繰越控除を活用して大きな節税の機会を得ることは、会社100年の大計にとって重要です。
 それではどうすれば、”欠損金の繰越額を活用する益出し”が可能なのでしょう。
 もちろん、売上を伸ばして利益を増やすのは容易ではありません。つぎのような方法をヒントにして、自社の含み資産を洗い出してください。優先順位は、手っ取り早くでき、かつ、資金コストがかからないのがベストです。
◆ 保有有価証券の益出し

 日経平均株価が2万円を伺う勢いとなっているいま、投資有価証券として持っていた上場株式も含み益(時価-帳簿価格)が増えているのでは。それなら、思い切って売却=含み益を売却益に換えて、欠損金の繰り越し控除を使うのです。もちろん、含み損の出ているものは業績が安定するまで、売却は控えましょう。
 「取引先の上場株式だから売却したらまずい!」と考えている方。それなら一度売却して、利益確定の上、買い戻せばよいのです。できる限り、株価が落ち着いたとき(下落しているとき)に買い戻すのです。
◆ 生命保険含み益の活用
 社長や役員などを対象に会社がかけている生命保険のうち、解約返戻金が帳簿価格を超えているケースで、含み益を表に出すことができます。特に節税目的での生命保険は、解約返戻金が帳簿価格を超えていることが多く、解約返戻率(保険料累計額に占める解約返戻金の割合)がピークに近ければ近いほどよいです。といっても、ただ解約するのではなく、資金の必要性に応じた益出しの方法がありますので、生命保険に詳しい税理士などに相談されるよう、お勧めします。
◆ 固定資産の売却による益出し
 会社所有の土地・建物に”含み益”のあるものがあり、外部に売却しても問題ないなら、売却のうえ、含み益を表面化させて利益計上することもOKです。ただこの方法だと、売り手の思うタイミングや金額での売却ができない可能性が高いため、できるだけ早めの検討が必要です。
 最近では、売り手は”会社や個人”でも、買い手に”不動産関連の事業者”をたくさん見つけて入札形式で、比較的高額売却につながり、同時に、売買価格が大変透明性が高くできる方法をとる地道に不動産売却のサポートをするところも出てきています。値引き要求をどこまでされるか考えると、こうした会社の利用も有効ですね。
 実際に益出しして会社の財務状況を改善できれば、外部~特に金融機関~の評価は高くなり、借入れ余力もついてきます。加えて繰越欠損金の有効活用で、節税までできるなら、まさに一石二鳥に。
 繰越欠損金がある会社といっても、節税原資(=財産)と考えて「繰越欠損金の残高」を意識して経営をされてはいかがでしょうか。

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