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相続&贈与

死亡退職金と弔慰金は相続財産か!?

2021年7月7日

 在職中の死亡時では、勤務先から”死亡退職金”や”弔慰金”が支払われることが多いですが、香典同様、遺族の受け取るお金であり、相続税はかからないのでしょうか。今号では、その取り扱いをご案内しましょう。

死亡退職金には相続税がかかる!?

 退職金は、長年の勤務への貢献に対して会社から支給される性格のもので、通常は退職金規程に基づいて支給されます。存命中に受け取れば「退職所得」として所得税がかかり、亡くなった後に遺族に支給される”死亡退職金”は相続税の対象となります。
 中小企業のオーナー経営者なら、株主総会の決議により、役員退職慰労金規程に沿った「退職慰労金」が支給されます。
◆ 死亡退職金は「みなし相続財産」!
 死亡退職金は、民法上「受取人固有の財産」で相続財産ではありません。とはいえ、相続税法上はつぎのように「みなし相続財産」として課税対象財産に含まれます。
● 「みなし相続財産」って、なに?
 課税対象財産は、通常、被相続人の死亡時の所有財産です。それ以外に”その人の死亡に起因する財産(死亡退職金や生命保険金)”も被相続人の財産、つまり「みなし相続財産」として相続税の対象とされます。
● 死亡後3年以内に確定した退職金に限定!
 死亡退職金は支給の確定まで長くても数ヵ月程度であり、通常は相続税の対象となります。ところが、死亡後3年経過後に遺族が”死亡退職金”を受け取るケースは「みなし相続財産」とはならずに、受け取った遺族の一時所得として、所得税が課税されます。

◆ 死亡退職金には非課税メリットが!
 死亡退職金には生命保険金同様に、遺族の生活保障目的があり、相続税に非課税枠が設けられています。
 【非課税枠の計算式】 500万円×法定相続人の数
 法定相続人の数には、相続放棄した相続人がいても法定相続人の数に含めて計算します。また、法定相続人に養子がいれば、実子がいれば1人、実子がいなければ2人まで法定相続人の数に加えることができます。

弔慰金には相続税がかからない!?

 弔慰金は、亡くなった方を弔い、遺族に慰めの気持ちを表すために贈られるお金であり、お香典とは異なり、葬儀の後に会社が社内規定に則って支給するものです。
● 弔慰金は相続税がかからないのが基本!
 弔慰金は支出目的からみれば香典と変らず、その意味では相続税を課さないのが基本です。といっても、創業者や経営者、死亡状況などにより一部の方では多額の弔慰金が支給されるケースもあるため、弔慰金にも別途非課税枠を設けて、この超過部分を死亡退職金に含めて相続税の課税対象としています。
● 弔慰金の非課税枠の計算は?

 弔慰金の非課税額は「死亡原因が業務に関連するかしないか」により、つぎのように違いが生じます。
★ 業務上の死亡:被相続人の死亡時の普通給与※の3年分(=36ヵ月分)
★ 業務外の死亡:被相続人の死亡時の普通給与※の半年分(=6ヵ月分)

 ※普通給与は、給料、俸給、賃金、扶養手当、勤務地手当などの合計

死亡退職金と弔慰金を受け取ると?

 死亡退職金に加えて、死亡の状況などを考慮して遺族に弔慰金を支給する会社も見受けられます。ある会社の役員のケースでのみなし相続財産や非課税額について、具体的にご覧いただきましょう。
● 前提条件
 ★ 死亡理由 :業務外の病気での死亡(=弔慰金の非課税枠:普通給与の6ヵ月分)
 ★ 支給金額 :・死亡退職金3,000万円、・弔慰金800万円
 ★ 法定相続人:3人(妻と子2人)
 ★ 普通給与 :月額100万円
● みなし相続財産と非課税額の計算
 ★ 弔慰金の非課税額と死亡退職金に加算される額
  ・非課税枠:600万円(いずれか低い額:①600万円(100万円×6ヵ月)<800万円(弔慰金) 
  ・死亡退職金に含まれる額:200万円(弔慰金800万円-非課税枠600万円)
 ★ ”死亡退職金”の非課税額とみなし相続財産
  ・非課税枠:1,500万円(500万円×法定相続人3人)
  ・みなし相続財産に含まれる死亡退職金:
        1,700万円
(死亡退職金(3,000万円+200万円) ー非課税枠1,500万円)
● ケーススタディのまとめ
 弔慰金が非課税枠を超えて200万円が死亡退職金に含まれ、また死亡退職金も非課税枠を超えての支給だったため、弔慰金と死亡退職金を合わせ1,700万円が課税される結果となりました。その一方、両者合わせて2,100万円もの金額が非課税扱いになっています。
 このように被相続人の勤務先から弔慰金と死亡退職金が支給される場合は、最初に弔慰金の非課税額を、つぎに死亡退職金の非課税額を求めて、最終的に相続税の対象となる「みなし相続財産」を計算します。

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