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相続&贈与

~親子間の無償での土地の貸し借り~相続時の取り扱いは?

2021年5月12日

 子が親の土地に、自宅や賃貸物件を建てて利用しているケースがよく見受けられます。
こうした親子などの親族間のタダでの土地などの貸し借りを「使用貸借」といい、そのまま相続を迎えたときの土地の取り扱いをご紹介しましょう。

土地をタダで借りれば”贈与”?

● 無償でも贈与にはならない!
 親が子に土地を時価よりも安く売れば、”みなし贈与”として贈与税の対象になります。ところが、権利金や地代を支払わずに、親の土地に子が家を建てて利用(使用貸借)しても贈与税の対象にはなりません。
 一方、注意しなければならないのが「子が親に地代を支払っているケース」で、賃借権や借地権の問題が生じて、贈与税や相続税の対象とされるリスクが生じます。
● 「賃貸借」と「使用貸借」との違い

 物の貸し借りで賃料が伴う取引を「賃貸借」といい、同じ貸し借りでも賃料を支払わない無償の貸借は「使用貸借」とされます。通常、第三者間で行われる取引は「賃貸借」で、親族間など信頼関係がある人とは「使用貸借」が多いといえましょう。
 「賃貸借」では借地借家法に定められた”借主保護のルール”が適用されるのに対し、「使用貸借」では適用はありません。また、「使用貸借」は借主の一身専属権(注)という性格から借主の死亡で、原則、契約が終了するという特質があります。(民法597条)
(注)一身専属権=その人自身に帰属させなければ意味のない権利や行使できないような権利。

「使用貸借」中に、当事者が亡くなったら?

◆ 貸主が亡くなったら
 貸主(例:父)が亡くなったケースでは、つぎの取り扱いとなります。
●「使用貸借地」を相続人の子(借主)が引き継ぐ場合
 土地と建物の所有者が同一人となり、貸借関係は終了します。
●「使用貸借地」を借主以外の相続人が引き継ぐ場合
 一般に、使用貸借契約はそのまま存続します。
 なお、その際の「使用貸借地」の相続税評価額は、単なる更地として自用地評価となります。「使用貸借」では、借主(例:子)は借地権相当額を差し引けないので、要注意です。

◆ 借主が亡くなったケース
● 原則的な取扱い
 民法では『「使用貸借」は、借主(例:子)の死亡によってその効力を失う』とされ、相続の対象外になっています。つまり、法の建てつけ上は、借主の相続人(例:孫)は「使用貸借地」を引き続き借りることができません。
● 例外的な取扱い
・使用貸借契約で特約があるケース
 使用貸借契約で「借主が死亡した場合にはその相続人が相続する」や「借主が死亡した後も相続人が引き続き使用賃借を継続する」などの特約があれば、引き続き使用貸借関係を継続できます。
・当事者間での合意や黙認のケース
 「使用貸借」は親族間で行われるケースがほとんどで、上記のような特約などはないのが通例です。仮に、当事者間で引き続き「使用貸借」することに合意があったり、借主の相続人が引き続き「使用貸借」の状態にあることを貸主が黙認しているなら、使用貸借関係を継続できるという判例もあります。

「使用貸借」は当事者間の信頼性が”キー”に!

 「使用貸借」は借主の死亡により、原則として、使用貸借の権利は引き継げず、トラブルに発展する可能性が残ります。税金面では借主側には贈与税はかからないものの、貸主側には賃貸借のケースよりも”土地の相続税評価額”が高くなり、不利に働く結果に。
 当事者の状況次第では、相続税評価額を引き下げるために「使用貸借」をやめて、通常の「賃貸借」に変更する対応も考えられますが、一方で”賃料をいくらにすればよいか?”など難しい問題も生じます。
 こうした問題を解決し、無用なトラブルを避けるためには、相続に詳しい税理士などの専門家へご相談されることをおススメします。

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