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相続&贈与

知らぬ間に”保証債務”を引継げば、「自己破産」にも!?

2021年2月3日

 相続の際、相続人が「(親の)保証債務」の存在を知らずに財産を相続してしまうと、大きなリスクを抱えかねないことに。万一、その後多額の保証債務の履行を求められたらさあ大変!
 今号では、相続される「保証債務」や相続してしまった「保証債務」への対応をご案内します。

相続される「保証債務」とは?

 相続発生時には、親(被相続人)が「経営する会社や他人の借入金の連帯保証人かどうか」の確認が必要です。また、連帯保証人でも”相続されるケース”と”相続されないケース”とがあり、この確認も欠かせません。
● 借入金の契約書の確認から始めよう!
 連帯保証人か否かは、「金銭消費貸借契約書(借入金の契約書)」などを探し、連帯保証人欄に「親(被相続人)の名前や捺印」があるかどうかで確認できます。連帯保証の可能性があれば、契約書などが見つからなくとも、親の日記や手紙での確認や親の親しい友人や取引関係者への確認も検討すべきかも。
● 「保証債務」が相続されてしまうケース

★ 銀行借入金の連帯保証人
 親(被相続人)が知人・友人に頼まれたり、自分の会社の借入金の連帯保証人の場合は、連帯保証人の地位は”相続放棄”しない限り、相続したものとみなされます。結果として、債務者が借入金を弁済できなければ、債権者(銀行など)は相続人に”支払い請求(=「保証債務」の履行を求める)”をしてくる羽目に。
★ 不動産などの賃貸借契約での連帯保証人
 アパート・マンションなどを借りる際の連帯保証人は、上記同様、相続したものとみなされます。家賃が滞納されると、滞納家賃にプラスして高率の遅延損害金を請求されることも。
● 相続の対象外とされる身元保証人
 ”身元保証人”には、保証の対象者が他人に損害を与えるとその損害の賠償責任が生じます。そのため、採用時などでは身元保証人を要求されたりします。”身元保証”はお互い(保証する人・される人)の信頼関係あっての契約であり、契約の当事者でない相続人にその地位が自動的に引継がれることはありません。
 といっても、被相続人の生前にすでに身元保証していた人が何らかの損害を与え、損害賠償請求されていれば、身元保証人の地位は相続されるため、注意が必要です。

もしも”連帯保証人”の地位を相続してしまったら?

 相続放棄手続きの期限が過ぎて、結果的に”連帯保証人”の地位を相続してしまい、本来の主債務者が自己破産などで返済できず、債権者から保証債務の履行を求められたときには、つぎの選択肢が考えられます。
● 自力で、全額支払う
 相続で引継ぐ財産や自分の財産に余裕があり、他の連帯保証人(注)に借入金の弁済能力がなければ、遅延損害金などで債務が膨らむ前に支払って、他の連帯保証人に求償(請求)する方法があります。
(注)「他の連帯保証人」:”連帯保証人の地位”は各法定相続人に法定相続分で相続されるため、自分以外の法定相続人のことをいいます。
● 金融機関との減額交渉
 最も現実的な方法で、所有資産に合わせた交渉をすることです。ただし、十分な資産があるのに無茶苦茶な減額交渉を行うと相手の気持ちを逆なでして、差押さえや競売などの手続きへと発展しかねません。
● 任意整理や個人再生
★ 任意整理
 この方法では借金の大幅な減額はできないものの、債権者と”連帯保証人”で協議して確実な返済ができるような計画を立てて実行していきます。
★ 個人再生
 家庭裁判所での再生計画の認可を得ることが前提となります。個人再生では借入金総額を大きく減額したうえで、決められた返済額を数年間(原則3年間)で支払うので再スタートを切りやすいといえましょう。
 任意整理や個人再生は交渉や手続きが複雑ですので、専門家(弁護士等)に依頼されるようお勧めします。
● 最終手段は、”自己破産”
 銀行から「保証債務」の履行を求められても”連帯保証人”に財産がなく弁済メドが立たなければ、裁判所に申立てて”自己破産”手続きをとる方法があります。手持ち財産はすべて処分したうえでの手続きであり、財産はゼロになるがそれ以上の履行は不要で、再スタートを切りやすいメリットがあります。

 「他人(法人も含む)の連帯保証人」という事実は、相続後に相続人(妻や子)の不幸を招きかねない大きな問題です。それゆえ連帯保証人になる際にも、家族に知られぬよう内緒で押印するケースがあるため、契約書などでの保証債務の有無の確認にはかなり手間がかかってしまいがちに。
 相続後に後悔せぬよう、親との十分なコミュニケーションを通じて、隠れた「保証債務」を把握しておきましょう。

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