感動相続

文字サイズ大中小

相続&贈与

節税には不向き!?でも利用価値ありの相続時精算課税~その1~

2020年10月21日

 2,500万円も非課税で生前贈与できる「相続時精算課税」制度。一見、とても有利な印象ですが、実際に活用する際には注意が必要な点が。そこで今号と2回にわたり、相続時精算課税の概要、活用の際のメリット・デメリットについてご紹介します。

太っ腹な相続時精算課税制度

 家計の金融資産(1,900兆円超)の多くは60歳以上のシニア世代がお持ちです。そこで、裕福なシニア世代の資産をスムーズに次世代に引き継がせるために「相続時精算課税制度」が誕生しました。経済政策として、もらった人(受贈者)がお金を使い、世の中にお金が回ることを期待しての導入でした。
● 2,500万円までの贈与なら、贈与税はゼロ!
 2,500万円の贈与だと最高45%の贈与税率が、相続時精算課税を選択すると「2,500万円まで」なら贈与税はゼロに。一方、2,500万円超の贈与も一律20%の贈与税なので負担は大幅に軽くなります。
 といっても、相続が発生すると”相続時精算課税”制度を使った贈与額は相続財産に取り込んで相続税計算(注1)をしなければなりません。
 (注1)相続時精算課税で贈与税を納付済みなら、その税額は相続税から差し引けます。
● 対象となる人は
 相続時精算課税制度の対象となる贈与者と受贈者はつぎのような人です。
★ 贈与者(贈与をする人):60歳以上
 シニア世代からの財産の移転の狙いから、対象となる贈与者は60歳以上の方限定です。
★ 受贈者(贈与してもらう人):20歳以上の推定相続人と孫
 20歳以上の推定相続人(注2)、一般的には子どもですが、”孫”もこの制度の対象に含まれるため、幅広く相続財産の分散をはかれるわけです。
 (注2)推定相続人:相続時に相続人となる資格のある人

”暦年贈与”と”相続時精算課税”との違い

 身近な生前贈与で知られる”暦年贈与”は、相続時精算課税とはどう違うのでしょうか?
● 暦年贈与とその活用メリット
【暦年贈与と留意点】
 暦年(毎年1月1日から12月31日まで)での贈与額が110万円までなら、非課税で贈与申告もいらないのが”暦年贈与”。これは贈与税の基礎控除が年110万円と決められているためで、手軽で使い勝手の良い生前贈与制度です。少額にみえますが毎年110万円の贈与ができ、贈与を繰り返せば多額の財産の移転が可能に。
 もっとも、ご高齢で病気がちな方などでは注意が必要です。万一の相続発生時から3年以内にした贈与(相続人のケース)は相続財産に取り込んで相続税を計算しなければならないためです。
【ケース・スタディー】
 ★ 贈与者:祖父母   ★ 受贈者:6人(子2人と孫4人)   ★ 贈与額:一人あたり年100万円
 ★ 相続対策効果: 贈与税非課税で・年間600万円・5年累計3,000万円も移転
           5年後には祖父母の財産は3,000万円減少で、相続税の節税が実現!
 もっと対策効果を上げたい場合は、一人あたり9万円の贈与税を覚悟して年200万円ずつ贈与すれば、年1,200万円、5年後には6,000万円がわずかな贈与税負担で子どもらに贈与できることに。
● 相続時精算課税制度の留意点
 上述のように、2,500万円までの贈与に贈与税がかからない大型の非課税制度です。といっても既述のとおり、相続が発生すれば相続財産への「持ち戻し(相続時精算課税を使った贈与額は相続財産に取り込んで相続税を計算)」されるので、要注意です。

 ”多額の贈与でも贈与税がゼロ(2,500万円超の贈与:贈与税一律20%)”という目先のメリットだけに注目が集まりがちですが、「後悔先に立たず」です。
 次号では「相続時精算課税制度の具体的なメリットとデメリット」をご案内します。

お問い合わせは
「英和コンサルティング株式会社/英和税理士法人」まで
無料相談受付中 相続のことならお任せ 03-3491-3811(代) 営業時間/9:00~17:30 定休日/土、日、祝日
メールフォームでのお問い合わせホームページはこちら
おすすめ記事
よく読まれている記事
PAGE TOP