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相続&贈与

独りよがりの贈与では、あとの後悔先に立たず!

2019年10月16日

 親が、子・孫などの預金口座に毎月5万円ずつ積み立てているといった話をよく耳にします。1年で一人あたり60万円、5年で300万円で、贈与税の基礎控除(110万円)はクリアで、ご本人はちゃんとした贈与のつもりで積み立てを継続しているご様子。
 実は、これでは税務調査があれば贈与税を課税されるリスクが。

自分なりの贈与はハイリスク!

◆ 本音は、子・孫名義の積立預金は自分のモノ
 ご本人に、この贈与について詳しくお尋ねすると「預金は積み立てているが、子や孫などには通帳を渡していないし、銀行取引印も自分で持っている。当然、子や孫は預金の存在自体を知らない。」という話に。また本音では、相続までは子や孫に預金を渡す気はなく、自分の病気入院・手術費用や介護施設などへの入居費用などでお金が不足すれば、子や孫名義で積み立てた預金を使うお考えでした。

◆ こんな贈与は、”名義借り預金”扱いに!
 長い間、子や孫名義で積み立て、預金残高を増やしていても、それは贈与ではなく、単に子や孫の名義を借りた「借名口座」、つまり、ご本人の財産として相続時には相続税がかかってくることに。自分なりの考えで、せっかく子や孫名義の預金をしても、あとで税務署と揉めることは請け合いです。
 具体的には、つぎのような独りよがりの贈与では”自分の財産”とされてしまいます。
● 通帳用の印鑑は自分のモノ!
 子や孫の銀行口座の取引印はご本人の認め印で、自分の銀行口座の取引印と同じものを使っている。
● 贈与税の申告はしていない!
 1年間の贈与額は110万円以下で、(贈与税の)基礎控除額を下回っていたので、贈与税の申告はしたことがない。また、贈与税が生じていないから、申告をする必要はないと考えている。
● 子や孫名義の預金を引き出したことがある!
 急にオカネが必要になったときに、子や孫名義の預金を引き出した。
● 月々、子や孫名義の預金積立てや保険料負担をしている!
 毎月の預金積み立てや保険料支払は親(祖父母)がしていた。通帳や保険証券の管理も親がしている。

これが”定期贈与”だ!

 オカネを贈与する場合、毎月同じ時期に同額を贈与し続けてしまいがちです。たとえば、毎年200万円を贈与しても基礎控除(110万円)のおかげで贈与税は9万円と非常に軽く、10年間根気よく贈与し続ければ90万円(の贈与税)の負担で、2,000万円を合法的に贈与できるわけです。
 ところが、こうした贈与には落とし穴が・・・。
◆ 税務署はこんな見方をする!
 こうした贈与では、最初の贈与時に「10年間にわたって、毎年200万円ずつ贈与する約束があった」(=定期贈与)とみなされてしまう恐れがあります。そうなれば、税務署は初めて贈与した年にまとめて10年分の2,000万円相当を「定期金に関する権利の贈与」として、贈与時点での「市場金利などに基づいて計算した金額」で評価して、贈与税を課税してきます。
 仮にその評価額を1,800万円とすれば、贈与税額は10年分の90万円ではなく、595万円と、6.6倍にもなってしまうのです。これではあとの後悔先に立たず。

◆ それでも一般の方の意識は?
 とはいえ、大方の見方は「何をいってるんだ。10年分割で2,000万円を贈与する契約などした覚えはない。」と、定期贈与などしていないとの主張をすることに。そこで税務署と争うのなら、定期贈与でないことの証明などかなり大変な作業や書類の作成などが待っています。こうした作業には多くの時間を割かねばならず、当然コストもかかってしまいます。

◆ 無益な税務署との争いよりも、正しい贈与を!
 子や孫などに迷惑をかけずに贈与をされるなら、適切な贈与のやり方を学び、「贈与時期や贈与額を変えて贈与をする」のが賢明です。独りよがりの贈与では、せっかくの子や孫を想う気持ちが伝わらず、却って親が面倒なことをしてくれたと言われかねません。

 贈与するならいらぬ指摘を受けないよう専門家に正しい手順を学び、正々堂々と愛情のこもった贈与を行いましょう。

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