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相続&贈与

「不動産の共有」は、百害あって一利なし!?

2019年4月17日

 金融資産が少なく、めぼしい財産が不動産のケースでは、資産価値が高いだけに遺産分割ではモメやすい傾向があります。そこで、そのときはよかれと考えて妥協案で「共有」を選択し、遺産分割を済ませると、先行き後悔することになりかねません。今号では、「不動産共有」のデメリットと、共有状態を解消する「共有物分割請求」をご紹介しましょう。

「不動産共有」には、こんなデメリットが!

 一般的には、公平に法定相続分どおりに遺産を分けたいなら、不動産も共有すればよいのです。持分割合を決めるだけのため、モメ事にもならず、遺産分割協議も比較的まとまりやすいといえます。また、分筆時の測量費用や鑑定費用も節約できます。
 ところが、「不動産共有」には大きな落とし穴があります。
◆共有不動産の運用には、共有者の同意が必要!
●共有不動産の処分ができず、デメリットが!
 不動産の売却や建物の取り壊しなどの処分は「変更行為」として共有者全員の同意が必要です。このため、共有者間で意見が対立すれば不動産の処分はできません。その結果、土地の高値売却のタイミングを逃して、共有者全員がデメリットを被る結果にも。
●共有不動産の賃貸・解除ができず、デメリットが!
 不動産の賃貸契約の締結や解除は「管理行為」とされ、共有持分の過半数の同意が必要です。
 例えば、3人で共有するアパートの賃貸では、6分の1ずつ持ち分を有するAとBが反対しても、残りの持分(6分の4)を持つCが賛成すれば持分の過半数が同意のため、賃貸借契約を締結できます。
●共有不動産の維持コストで、デメリットが!
 不動産の修繕など維持は「保存行為」とされるため、共有者が単独で判断できますが、その費用をどのように負担するかで、共有者間でトラブルになることも。

◆不動産の権利関係が複雑に!
 その後、共有者の一人が亡くなると、その相続人たちが共有持分をさらに細かく共有すると権利関係者が増え、権利関係が複雑化していきます。また、血のつながりも薄くなるため、全員の同意の取り付けなどは難しくなる一方です。

持ち分共有の解消はかなり面倒で、大変!

 「不動産共有」の解消にはまず共有者間での分割方法の話し合いが前提になります。すべての共有者の同意が得られなければ”共有物分割請求”訴訟を起こすことになります。
◆訴訟を起こす
 話し合いがまとまらないときには、他の共有者(被告となる)の住所地か、不動産の所在地のいずれかの地方裁判所(地裁)で訴訟を起こす必要があります。一般的には、不動産の所在地の地裁で訴訟するケースが多いようです。

◆訴訟リスクは?
 訴訟後は、共有解消に向けた判断は裁判所(=裁判官)に委ねられます。裁判所では”現物分割”や”代償分割”での分割の可能性を探り、最後には”競売”で共有不動産を売却してしまい、その売却代金を分けることまで検討して、判決を下します。
 このため、訴えた共有者の期待する判決が下されるとは限りません。判決次第では訴訟リスクも。
●裁判官任せのリスク
 裁判官は共有者の「希望」「持分割合」「経済的資力」や共有不動産の「利用状況」「経済的価値」などを総合して判断することとされているため、裁判官の不動産への造詣(知識、経験など)の深さに結論(判決)が左右されることもままあります。
●競売判決では、時価より少ない配分にも
 共有物の分割請求訴訟で”競売”判決が下されて競売された場合、落札価格は市場価格(時価)よりかなり低くなるケースが多いのが実状です。結果として、競売で共有者一人あたりが得られる金額も、競売でなく任意売却(自分で市場売却)するときより少なくなります。また競売でも、土地の状況次第では買い手がつかないことも。

将来を見据えるなら不動産の共有は避けるべき!

 共有となってしまった不動産の共有状態を解消するには、共有者同士で話し合いをし、まとまらなければ訴訟を提起して裁判所に判断を委ねなければならず、時間も労力も使うことになります。さらに、前述のようなデメリットを考えると「共有物分割請求」が得策とはいえません。
 遺産分割の時であれば、相続に強い専門家に相談すれば、他の相続人に代償金を支払って単独で相続(代償分割)する方法、売却代金を相続人で分割(換価分割)する方法など、共有以外の方法での分割をアドバイスしてもらえます。穏やかな分割なら、相続人同士の関係にもひびが入らず、その後も良い関係を続けられます。
不動産を安易に共有状態とするのは避けるべきといわざるを得ないでしょう。

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