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相続&贈与

調査のやり方もひと工夫!「簡易な接触」ってナニ?

2019年1月23日

 国税庁が2017事務年度(2017年7月から2018年6月)の相続税の税務調査結果を発表しました。
結果によれば、相も変わらず、高い割合で”財産の申告もれ”や”財産評価の各種の特例計算の適用誤り”などで多額の追徴課税が行われています。そこで今回は相続税と贈与税の調査結果の内容を分析してみました。

相続税申告書、提出が必要か必ずチェックを!

◆ 調査件数も、申告もれも、前年より増加!
 実地調査件数は1万2,576件(うち、申告もれ件数10,521件、前年9,930件)で、その8割強で3,523億円(前年3,295億円)の申告もれが発見され、加算税を含めて783億円(前年716億円)が追徴課税されました。
 申告もれ件数、申告もれ課税価格はともに前年を上回り、1件当り平均2,801万円(前年2,720万円)の申告もれでした。
◆ 無申告には厳しく調査!
 相続税がかかるのに知らん顔をしていた”無申告のケース”では1,216件の調査が行われ、その85%弱で987億円の申告もれが見つかっています。1件当りの申告漏れは8,117万円と、全平均の約2.8倍もの額に上り、無申告者がターゲットにされる意味合いがわかる状況に!
◆ マイナンバーで”財産が丸裸”になる日も近い?
 税務署は資料情報から大口資産家(被相続人)などの資産状況などを事前に把握していて、「相続税の申告書を出さなければわからないだろう。」などということはありません。2015年からの相続税の増税で申告書を提出する必要のある方は大幅に増え、独りよがりの判断で、「財産も少ないから、相続税の申告書は提出しなくてもよいだろう」とは考えずに、まず一度は試算してみるか、専門家に相談してみることが肝心です。さらには”マイナンバー制”が普及すれば、いろいろな財産は自動的に税務署が補足できる仕組みとなる可能性が強く、とぼけていても税務署の方がよく知っている状況になりかねません。

調査官が直接来なくても指摘されることも!

 税務署では直接自宅に訪問し、相続に関係する書類などを調査する「実地調査」に加えて、文書や電話による連絡または来署依頼による面接などの「簡易な接触」によって申告もれや計算誤りなどを指摘、是正させる対応にも力を注いでいます。
◆ 今後も「簡易な接触」は増加傾向に!
 背景には、2015年からの相続税の増税で申告書を提出する方が大幅に増え、限られた税務署の調査官の人数ではこれまでの調査割合を維持するのが難しくなったことがあります。実際の統計を見ても「実地調査件数割合」は21.5%から12.2%に大幅に落ち込んでいて、この「簡易な接触」が調査官による「実地調査」を補完するものとして今後も増加傾向に。
◆「簡易な接触」での調査結果は?
 2017事務年度で「簡易な接触」を実施した件数は1万1,198件で、そのうち申告もれや計算誤りがあった件数は2,668件、申告もれ課税価格は517億円となっています。マイナンバーが本格的に導入されれば調査日数をかけることなく、さらに件数、申告もれ課税価格ともに大きく増加することは間違いないようです。

あまり聞かない贈与税の調査!?

 相続税の税務調査は、申告書提出8件中1件の割合で税務調査が実施されています。一方で贈与税の税務調査はあまり聞くことはありません。どのくらいの件数が行われているのでしょうか?
◆ 調査の実施率はわずか0.7%!?
 2017事務年度(2017年7月から2018年6月)に行われた贈与税の税務調査は全部で3,809件でした。相続税の調査件数と比べると、わずか3割とかなり少ない印象です。実際の贈与件数は、相続税申告件数とは比較にならないくらい多いのです。
 たとえば、前年提出の2016年分贈与税申告書50万9千件が調査対象とすれば、調査割合はわずか0.7%で、相続税の12%と比べてずっと低いことに。

◆ 贈与税も無申告者がターゲットに!
 贈与税の税務調査で申告もれや計算誤りが見つかった件数(3,565件)のうち82.7%は、申告書の提出がなかった人(無申告者)で税務署は相続税と同様に贈与税についても無申告者には厳しく対応していることがわかります。申告もれが多かった財産は圧倒的に”現金・預貯金等”で、2,812件にも上っています。名前がつかない財産なだけに安易な名義変更などでの”贈与認定”も多そうです。
◆ 気がつかぬうちに贈与に!こんな贈与にご注意を!
 申告もれを指摘される人には、「わからないだろうから」と故意に申告しなかったケースだけでなく、「贈与になるとは知らなかった」という人も多いのでは?
 お金や財産を実際に渡すことがなくても”贈与”と認定されるケースが多いため、最低限の知識を持っておかないとあとで困ることに…。
【贈与とみなされること】
 ★ 保険料は自分が払って、満期保険金の受取人を子や妻にする
 ★ 自分が貯め、管理(通帳や印鑑など)もしてきた子ども名義などの預金口座
 ★ 妻は資金を負担せずに、自宅の名義を夫婦で1/2ずつにした

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