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相続&贈与

昔は大目に見てくれたのに、厳しくなった”延納と物納”

2018年4月11日

 相続が起こったら、気をつけるべきは”遺産の分割(=財産分け)”だけでなく、相続税の納税資金手当ても重要なポイントです。これは相続税も”現金払い(=金銭による一括納付)”が大原則のため。
 相続人同士での分割協議がスムーズにいっても、相続財産が不動産や未上場株式など換金しづらい財産が大部分なら、納税の段階で頭を抱えることになりかねません。
 そこで今号では、「現金払い(=金銭による一括納付)以外の納付方法」をご紹介しましょう。

現金以外の納付方法とは?

 相続税では、多くの方が”未体験ゾーンの大きな税金”を納めねばならない可能性があり、換金が簡単な金融資産でない限り、千万円単位、億円単位の相続税を期限までにまとめて納めることにでもなったら、一大事!
そこで、つぎのような特別な納付方法が認められています。

◆ ”延納”という名の、分割払い
 相続税を分割して現金で支払う方法を”延納”といい、次の要件を満たせば、最長20年間にわたる延納が認められます。また延納の制度では、年に一度、年賦というやり方でまとめて相続税を支払うことになります。
 ● 相続税額:10万円超か
 ● 金銭納付の困難性:納付が困難な金額の範囲内か
 ● 書類の期限内提出:『延納申請書』及び『担保提供関係書類』の提出
 ● 担保の提供:延納税額に見合う担保の提供

◆ ”物納”という名の、財産で納める方法
 現金以外の財産で相続税を支払う方法を”物納”といい、つぎの要件をクリアする必要があります。ただ、上述の延納でも納められない点を税務署長に認定してもらことも条件のため、かなり厳しいものとなります。
 ● 納付の困難性:延納での金銭納付が困難な金額の範囲内か
 ● 物納申請財産①:定められた種類の財産で、申請順位によっているか
 ● 物納申請財産②:「物納不適格財産※」でないこと 
   ※土地に抵当権がついていたり、隣地所有者との争いなど、国税当局が換価するのに支障の
    ある物納財産
 ● 書類の期限内提出:『物納申請書』及び『物納手続関係書類』の提出

延納や物納のデメリットは?

 納税方法として”延納”や”物納”を選択することによるメリットは、特別にはありません。そこで、代表的なデメリットを3点ほどご紹介しましょう。
● 面倒な手続き:申請と許可!
 延納・物納ともに、相続税の申告期限までに申請書を提出しなければなりません。
 申請しても、万一税務署長の許可がおりなければ、苦労して作成した納付計画も水の泡に。
● 担保提供が必要に!
 延納を受けるには、延納税額に見合った担保を提供しなければなりません。
 担保も何でもよいわけでなく、担保として不適格なもの、例えば、共有財産の持ち分や売却できる見込みのない財産などは除かれます。つまり、単独所有の土地などが担保提供にふさわしい財産となり、良い財産を優先して担保提供しなければならないので、その後の資産の有効活用の妨げに!
● 利子税という名の、さらなる負担が!
★ 延納時の利子税
 延納は相続税の分割払いのため、借入金同様に、(国への)利息の支払いを求められます。これを利子税といい、延納税額が多額なケースや延納期間が長いければ、利子税の負担も大きな額に上ることに。
★ 物納の利子税
 以前は物納では利子税がかかりませんでした。
 2006年の税制改正で、税務署長の物納許可の翌日から7日経過日を初日として、所有権の移転手続き完了日までの期間について利子税がかかることに。この利子税は現金納付しか認められませんので、ご留意ください。

国税庁の統計から浮かび上がるものは!?

 国税庁発表の延納・物納の申請件数(下表)は、2006年度の延納・物納に関する改正以降、激減していることが分かります。特に物納は、1998年度の約7千件が、2006年度に約1千件、最新の2016年度には140件とまで減少しています。税制改正を機に税務当局が厳格な手続きを求めるようになり、納税者は物納申請をためらい、断念される傾向となった様子がうかがえます。
 いずれにせよ、遺産分割協議の段階で納税も意識して、納める相続税に見合う現預金・上場株式などを分け合うことも検討が必要です。また現預金が少額なら、早めに売却する不動産を決めて、部分分割でも行い、納付期限前に納税資金を調達できるよう図ることが重要です。
 相続税の申告は、納税を済ませてはじめて終わったといえます。遺産分割の問題だけでなく、納税についても適切なアドバイスができる専門家にご相談されるのが一番です。

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