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相続&贈与

「孫への生前贈与」~暦年贈与も捨てたもんじゃない!~

2018年1月31日

 2013(平成25)年4月から始まった子や孫への”教育資金贈与の1,500万円非課税制度”は当初ほどの勢いはありませんが、制度開始から2017年9月までに18万6千人強もの方が利用されています。ちなみに、この制度は来年3月31日までの制度ですので、活用を検討されるならお早めに。
 こうした制度の有無にかかわらず、子や孫への生前贈与への関心は変わらないようです。今号では、こうした非課税制度を利用しない、一般的な暦年贈与の効果的な活用についてご案内しましょう。

教育資金の非課税贈与制度、創設当初の勢いはどこへやら!?

◆ 教育費などを贈与しても、元々非課税だった!
 「収入のある両親がいるのに、祖父母が教育資金を負担してもよいのか?」とのお尋ねもよくあります。実は、祖父母が孫の生活費や教育費を負担しても、”通常必要と認められるもの”は贈与税の対象にはならないのです。これは意外に知られていませんでした。

◆ 非課税は、”扶養義務”がその理由
 両親による生活費や教育費の負担はもちろん、おじいちゃん・おばあちゃんからのこうした贈与が非課税となる理由は、”祖父母が孫の扶養義務者”にあたるからなのです。
 税理士などの専門家の眼からは「そもそも、なぜそんなにこうした非課税制度が注目されるのか?」と疑問の声もあり、専門家のHPのブログやコラムなどで一般に知れ渡ることとなったことも「非課税制度の利用者の減少」につながったのかも知れません。
 ちなみに、扶養義務者とはつぎの方を指します。
 ● 配偶者
 ● 直系血族、兄弟姉妹
 ● 家庭裁判所が扶養義務者と認定した3親等内の親族
 ● 3親等内の親族で生計を一にする者
 これでは扶養義務がある範囲がわかりにくいですね。
 ご自身(男性)を中心に考えると、★両親、★配偶者(妻)、★子ども、★孫、★自分の兄弟姉妹、★財布が一つで一緒に暮らしていれば、兄弟姉妹の子(甥や姪)まで扶養義務があることになります。

孫への贈与は”3年以内の贈与加算”の対象外!

◆ 孫(ひ孫)への贈与はメリットがいっぱい!
 法定相続人の子どもに生前贈与しても、その後3年以内に相続が発生すると「贈与財産は、相続財産に取り込まれて相続税を計算(=3年以内の贈与加算)」する羽目になり、相続税が増える結果に。
 ところが、贈与の相手が孫やひ孫だったらどうでしょう。法定相続人ではないので、”3年以内の贈与加算”の対象に含まれないのです。
 つまり、贈与した財産については贈与税を納める必要がありますが、相続の直前に贈与しても相続時には何の負担も負わなくて済むというわけです。相続税の税率程度までなら、贈与をするメリットがあります。

◆孫はたくさんいる!非課税枠を有効活用しよう!
 一般的に、孫は子どもの数よりも多く、子2人なら孫は3~4人程度いてもおかしくなさそうです。その孫に祖父母が毎年贈与するなら、贈与税の基礎控除(年110万円)の範囲内でも、孫が4人なら年に総額440万円(110万円×4人)、10年間であれば4,400万円もの贈与が税負担なしにできてしまいます。
 大した額でないと感じられる基礎控除も、長期間に大勢の孫に贈与するなら巨額の財産を移せることに。実行にあたっては、税理士などの専門家に相談の上、トラブルが起こらぬようご注意ください。
 なお、遺言などで孫に財産を譲る(遺贈)こととしている場合は相続税の対象となるため、3年以内の贈与財産は相続財産に加算して相続税を計算する対象となりますので、ご留意を。

そんな悠長なことは言っていられないケースでは?

 ご高齢の祖父母などではすでに体調を崩されていて、早急な相続対策が必要なケースもおありです。前述のように、長期間にわたってコツコツ生前贈与がムリなときでも心配には及びません。孫やひ孫への生前贈与なら、”3年以内の贈与加算”がないのですから。
 では、具体的にどの程度の生前贈与をすればよいかの目安をご紹介しましょう。
◆ 孫やひ孫への年310万円程度贈与するケース
 仮に孫4人に年310万円ずつ、3年間贈与すると、総額3,720万円の祖父母の財産を子の世代を飛ばして移転できます。孫4人の贈与税は年に80万円(1人あたり20万円)、3年分合計で240万円ですので、孫全員の手取り額は3,480万円にも上ることに。贈与総額に対して、手取り率は93.5%もの高率になるのです。
 「エッ、240万円も贈与税を払うのはもったいない!?」といった声も聞こえてきそうですが、相続対策が必要な方であれば、相続税と比較してみましょう。コスト負担を負わずに、メリットだけ享受といった、虫の良いことはできません。

◆ 相続税の限界税率に応じた贈与をするケース
 相続財産が多額に上れば、相続税の税率は最高55%になることも想定されます。もし相続税の適用される限界税率が30%なら、710万円(20歳以上の孫なら1,110万円)までの贈与をしても損はありません。
 限界税率については「生前贈与vs相続」どっちがお得?で詳しく解説しています。

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