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相続&贈与

相続財産のうち、自分の相続分を譲渡できる!?

2017年12月6日

 親の相続を受けての相続人同士での遺産分割(相続財産分け)の話し合いの際に、事前に揉めそうで自分は関わりたくないケースでとれる手続き、「相続分の譲渡」を今号ではご案内いたします。

「相続分の譲渡」ってなに?

 耳慣れない「相続分の譲渡」は、”自分の法定相続分”を他の相続人(兄弟)やまったくの第三者に、有償・無償で、譲渡することをいいます。
 「相続分の譲渡」といっても、具体的に自分が相続する土地や株式などの財産を譲渡するワケではありません。実際には、民法上の自分の法定相続分((例)相続人:兄弟姉妹3人)が相続財産の3分の1なら、その3分の1の”相続する権利”を譲渡するイメージです。
◆ 「相続分の譲渡」はどんなときに使われる?
 揉めそうな遺産分割問題に巻き込まれたくない、早く遺産をもらいたいときなどに「相続分の譲渡」が行われるようです。例えば、遺産分割で予想される自分の取り分(財産)には納得しているものの、他の相続人が反目し合って遺産分割が長期間まとまりそうにないと予想される場合、自分の相続分を他の相続人に譲渡し、その対価としてお金を受け取れば分割協議から離脱できるのです。
◆ 相続放棄と無償の相続分の譲渡はどう違う!?
● 相続の放棄とは?
 「相続分の譲渡」時に無償(タダ)で譲渡するケースなら、「相続放棄」と同じように感じられるかも知れません。ところが、「相続の放棄」は相続自体を放棄する手続きで、なにも相続財産を受け取れず、亡くなった方(被相続人)の負債を負う義務も生じません。
● 無償の相続分の譲渡は?
 一方、「相続分の譲渡」では自分の相続分を譲渡する行為であり、相続人としての地位(身分)は引き続き残ります。仮に、タダで「相続分の譲渡」をしても、最悪の場合、被相続人の債権者から負債を返還するよう請求があれば、返済義務がありますので注意が必要です。
● 「相続分の譲渡」するなら、気を付けよう第三者への譲渡
 すべての権利などを捨てる覚悟があれば「相続放棄」が適しており、相続時の揉めごとに巻き込まれずに早くお金を手に入れるためなら「相続分の譲渡」が向いているといえましょう。ただ「相続分の譲渡」といっても、相続分を引き受ける資金を持つ相続人がお出でになればの話でしょうが・・・。
 また第三者が喜んで相続分を買ってくれるようなケースは、財産の分割協議にさらなる問題を残しますので、骨肉の争い覚悟でなければやめておかれた方が良さそうです。

「相続分の譲渡」するにはどうすれば?

 「相続分の譲渡」は書面でも口頭でも可能ですが、後々のトラブル時にはその譲渡を証拠立てておく必要がありますので、不動産や株式などの譲渡契約書同様、「相続分の譲渡契約書」として書面化しておきましょう。
◆ 秘訣は、契約のタイミングに
 「相続分の譲渡」は遺産の分割協議が終了してからでは、法定相続分という財産全体の持ち分を譲渡できません。つまり、分割協議がまとまる前にしておかねばならないということに。
◆ 契約書を作る際の留意すべきポイント
 契約書を作成する際には、つぎの点に留意してください。

● 契約書の作成ポイント
 契約書ですので、当事者(譲渡人・譲受人)の住所・氏名はもちろん、それぞれの捺印や日付の記載も忘れてはなりません。加えて下記を記載しなければなりません。
 ★ 譲渡する相続分の特定:被相続人名の記入
 ★ 譲渡する範囲の特定 :相続分のすべて
              (一部なら、具体的に記述)
 ★ 譲渡の条件     :譲渡金額の記入(無償(タダ)でも、その旨を記載)など
● 手続きに際して留意する点
 上述以外に「相続分の譲渡」の契約時にはつぎのような点も忘れてはなりません。
 ★ 他の相続人の承認  :不 要
 ★ 譲渡の相手方(対象者):他の相続人か第三者
 ★ 他の相続人への通知 :必 要

第三者に「相続分の譲渡」をされてしまったら?

 相続分の譲渡先が他の相続人であれば比較的トラブルが少なく、その後の分割協議が進められます。しかし、第三者に譲渡されてしまうと、ほとんどのケースで分割協議が難航することに。
◆ 第三者が相続人の地位を手に入れる!
 第三者に「相続分の譲渡」がされると、第三者が相続人として分割協議に参加できるようになります。赤の他人が突然、分割協議に口を挿んできますので、いくら権利があっても他の相続人は決して気持ちのよいものではありません。
◆ 「相続分の取戻し」とは?
 第三者に譲られてしまうとさらなるトラブルを招きかねないことから、民法上では「相続分の取戻し」が認められています。これは他の相続人が第三者に譲渡された相続分を取り戻せる仕組みで、譲受人(第三者)の承諾は必要ありません。
 「相続分の取戻し」はつぎの3点に合致するときに認められます。
● 相続分の譲渡先   :相続人以外の第三者
● 譲受人への対価支払い:相続分の価額相当額などの支払い(無償譲渡でも、取戻し時はお金が必要に)
● 取戻しの手続き期間 :譲渡後1ヵ月以内
 相続分の取戻しの権利を行使できるのは譲渡後1ヵ月以内で、その間に「相続分の取戻し」の資金準備もしなければなりませんので、早めの対応がポイントに。

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