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相続&贈与

意外に知られていない、亡くなった方の年金の取扱い

2017年11月22日

 高齢化社会への突入で年金受給者が増大し、”年金受給のトラブル”も増えそうです。実は、相続時のお悩みにも年金問題が登場します。年金は、「国民年金」「厚生年金」などの公的年金に、自分で掛けた個人年金まで種類はいろいろです。今回はどのような年金が”相続税などの課税対象”かご案内いたします。

「年金受給権」に相続税がかかる!?

 強制加入の公的年金とは別に個人が任意で加入する年金を「個人年金」といい、公的年金を補うために個人的に加入される方が増えています。個人年金の受給期間中に亡くなってしまったケースでは、相続人が残りの受給期間の年金を受け取れます。これを「年金受給権」といいます。
◆ 「年金受給権」は相続税の課税対象に!
 一般的な契約パターンの保険契約者が被相続人(契約者(保険料負担者)=被保険者)の場合、「年金受給権」は相続税の課税対象に。気になる”評価額”は、つぎの3種類の評価方法のうち最も高い金額です。
 ● 「年金受給権」の取得日(相続開始日=被相続人が亡くなった日)の解約返戻金
 ● 年金方式ではなく一括で給付を受けられる場合はその一時金
 ● 残った受給期間に応じて、保険契約の予定利率による複利現価率を乗じた金額

 これらの計算は、将来受け取る予定の年金の総額ではなく、現在の価値を評価額として課税するイメージとなります。

◆ 「退職年金」はどうなる?
 上場会社など企業年金制度のある会社では、退職金の一部を年金形式で別途分割して受け取れます。これを「退職年金」といいます。この「退職年金」受給者の被相続人が亡くなると、残りの期間の退職年金を遺族が受け取ることになりますが、この「退職年金」も相続税の対象となってしまいます。
 評価額は「年金受給権」と同様で、前述の3種類の方法のうち最も高い金額になります。

二重課税の問題も解消!?

◆ 以前、「相続税と所得税の二重課税では!?」と問題に!
 下図の<変更前>と<変更後>をご覧になって気づかれた方もお出ででしょうが、以前(変更前)は年金受給権として相続税の対象とされていながら、その後に受け取る年金まで所得税がかかってしまう仕組みでした。これでは”相続税と所得税の二重課税では!?”と問題に。最終的に、最高裁(2010年7月6日判決)まで争われて相続税の対象となった部分は”所得税の課税対象にならない”との判断がなされました。

◆ 所得税の課税対象の金額は専門家にお任せを!
 被相続人が受給していた年金を相続で相続人が年金を受け取ることとなれば、下図<変更後>のように2年目以降に受け取る年金のうち相続税の課税対象額を除いた金額が”雑所得”として所得税の課税対象に。”雑所得”の計算は複雑ですので、税理士などの専門家に相談されるようおススメします。
 また、保険を解約して返戻金を受け取ったり、一時金形式で一括受取りしたケースでは所得税の課税問題は生じません。

一方、相続税の課税対象外の年金はある?

◆ 遺族年金は課税対象外!
 被相続人が一定期間以上公的年金に加入、恩給を受けていたなどのケースでは、遺族にも年金や恩給が支給されます。こうした「遺族年金」のうち、つぎの法律によって支給される遺族年金は課税対象外とされて、相続税も所得税も課税されません。
 ●国民年金法  ●厚生年金保険法  ●恩給法  ●旧船員保険法  ●国家公務員共済組合法  
 ●地方公務員等共済組合法  ●私立学校教職員共済法  ●旧農林漁業団体職員共済組合法
 これらの法律以外によるものでない場合は、同じ「遺族年金」でも所得税は非課税ですが、相続税の対象となるため、注意が必要です。

◆ 未支給の年金も相続税は課税対象外!でも所得税は?
 国民年金や厚生年金などの公的年金は偶数月の15日に、前々月分と前月分の2か月分が支給されます。このように年金は”後払い”の制度のために被相続人(年金受給者)が亡くなると、受け取る権利があってももらえない年金が必ず生じます。これを「未支給年金」といいます。

★ 相続税はかからない!(最高裁が判断)
 最高裁(1995年11月7日判決)は「未支給年金の相続性を否定する」という判断をして、相続税の課税対象に含めないことになっています。
★でも、所得税は課税!
 「未支給年金」は相続税はかかりませんが、所得税では「一時所得」として課税されてしまうことに。とはいえ、一時所得には特別控除(50万円)を差し引けることになっており、「未支給年金」だけで50万円を超えないと思われますので、他にも一時所得がなければさほど気にする必要はないかもしれません。

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