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相続&贈与

よくある親子間の土地の貸し借りは、相続ではどうすれば?

2017年10月25日

 親が持っている土地を子が無償で借りて、自宅を建てて利用しているケースがよく見受けられます。このように親子のような近親者間でタダで土地などの貸し借りを「使用貸借」といいます。民法では「使用貸借」は当事者(借主・貸主)の個人的な人間関係や信頼関係に基づく権利とされ、当事者の一方が亡くなった時に権利関係は消滅します。
 では「使用貸借」のまま相続を迎えたときの土地は、どのような取り扱いになるのでしょうか。今号では「使用貸借地」の相続時の取り扱いをご案内します。

土地をタダで借りたら贈与では?

◆ 無償でも贈与にはならない!
 親が子どもに土地を時価よりも安く売ると、”みなし贈与”として贈与税の対象に。ところが、権利金や地代を支払わずに、親の土地に子どもが家を建てて利用(使用貸借)しても贈与税の対象とはされません。
 ここで注意したいのが、子どもが親に地代を支払ってしまうケースです。そうなれば、賃借権や借地権の問題が生じて、贈与税や相続税の対象とされるリスクが生じます。

◆ 「賃貸借」と「使用貸借」との違いは?

 物の貸し借りで賃料が伴う取引を「賃貸借」といい、同じ貸し借りでも賃料を支払わない無償の貸借は「使用貸借」とされます。通常、第三者間で行われる取引は「賃貸借」で、親族間など信頼関係がある人とは「使用貸借」が多いといえましょう。
 「賃貸借」では借地借家法に定められた”借主保護のルール”が適用されるのに対し、「使用貸借」では同法の適用はありません。また、「使用貸借」は借主の一身専属権(注)という性格から借主の死亡で、原則、契約が終了するという特質があります。
(注)「一身専属権」=その人自身に帰属させなければ意味のない権利、あるいはその人自身でなければ行使できないような権利をいいます。

「使用貸借」中に、当事者が亡くなったら?

◆ 貸主が亡くなったケース
 貸主(例:父)が亡くなったケースでは、その「使用貸借地」を相続人が引き継ぐため、使用貸借契約はそのまま存続します。
 その際の「使用貸借地」の相続税評価額は、単なる更地として自用地評価となります。「使用貸借」では、借主(例:子ども)は借地権相当額を差し引けませんので、注意が必要です。

◆ 借主が亡くなったケース
● 原則的な取扱い
 民法では『「使用貸借」は、借主(例:子ども)の死亡によってその効力を失う』と規定され、相続の対象外とされています。このため法の建てつけとしては、借主の相続人(例:孫)は「使用貸借地」を引き続き借りることができません。
● 例外的な取り扱い

・使用貸借契約で特約があるケース
 使用貸借契約で「借主が死亡した場合にはその相続人が相続する」や「借主が死亡した後も相続人が引き続き使用賃借を継続する」などの特約があれば、引き続き使用貸借関係が継続できます。
・当事者間での合意や黙認のケース
 「使用貸借」は親族間で行われるケースがほとんどで、上記のような特約などはないのが一般的です。仮に、当事者間で引き続き「使用貸借」することに合意があったり、貸主が借主の相続人が引き続き「使用貸借」しを黙認している状態であれば、使用貸借関係を継続できるという判例もあります。

 「使用貸借」は借主が亡くなれば原則として使用貸借の権利は引き継げないのでトラブルに発展する可能性が残ります。税金面では借主側には贈与税はかからないものの、貸主側は賃貸借のケースよりも”土地の相続税評価額”が高くなり不利に働くことになります。
 当事者の状況次第では、相続税評価額を引き下げるために「使用貸借」をやめて、通常の「賃貸借」に変更する対応も考えられますが、一方で”賃料をいくらにすればよいか?”など難しい問題も生じます。
 こうした問題を解決し、無用なトラブルを避けるためには、相続に詳しい税理士などの専門家へご相談されることをおススメします。

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