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相続&贈与

相続前の駆け込み贈与には、要注意!

2017年11月1日

 相続対策の基本として、生前贈与を活用した相続対策があります。これは「生前に家族に財産を分配(贈与)などして、相続財産を少なくしておく」というものです。この誰にでも簡単にできそうな生前贈与ですが、ありがちな”相続前の駆け込み贈与”では留意しておくべき点がいくつかあるため、わかったうえでの対策がポイントになります。

相続開始前3年以内の贈与には要注意!

 相続税法第19条で、「相続開始前3年以内の贈与は、贈与税を納付済みでも相続財産に取り込んで相続税を計算する」こととされています。
◆ この規定ができた背景は?

 ズバリ、国税当局の狙いは”過度な相続税の租税回避の防止”です。生前贈与でもケースにより贈与税がかかりますが、贈与方法の工夫次第で相続税の負担よりも贈与税を少なくできます。
 これを放置しておけば、相続税を納める人がいなくなったり、相続税が少なくなりすぎてしまうために、”相続開始前3年以内”に贈与した財産は相続財産に加算して相続税を計算する定めになったようです。

◆ 3年以内の財産で、加算するもの、しないもの
● 「相続開始前3年以内」って、なに?
 相続開始日(亡くなった日)から遡って3年目の日(応当日)から相続開始日までの間をいいます。具体的には、2017年11月1日が相続開始日であれば、3年前の応答日は2014年11月1日となり、「2014年11月1日から2017年11月1日までに行った贈与」が対象になるわけです。
● 加算する贈与財産
 相続財産に加える対象となる贈与財産は、被相続人(例:親)から相続人(例:子)が”相続開始前3年以内に贈与を受けた財産”です。贈与税の基礎控除額(年間110万円)以下の贈与財産であっても、3年以内の縛りを受けて相続財産に加えなければなりません。
● 加算しなくてもよい贈与財産がある!?
 つぎのような特別に非課税扱いとされている生前贈与については、相続開始前3年以内の贈与であっても”非課税枠の範囲内の贈与”に限って、相続財産には加える必要はありません。
 ・贈与税の配偶者控除 ・住宅取得資金の贈与 ・教育資金の贈与 ・結婚子育て資金の贈与

◆ 加算する金額と加算される対象者は?
● 加算すべき金額はどう計算する?
 加算すべき贈与財産は「贈与時の評価額」でよく、相続(亡くなった)時の評価額ではないので、注意が必要です。
● 加算される対象となる方は?
 相続の際に、相続開始前3年以内の贈与財産を再計算されるのは、被相続人(例:親)から相続か遺贈で財産を得た方(例:子)に限られます。つまり、相続や遺贈で財産を得なかった被相続人の孫は、相続開始前3年以内の贈与財産であっても相続財産には加算されないのです。

”相続時精算課税制度”と納めた贈与税の取り扱いは?

◆ 3年縛りは関係ない”相続時精算課税制度”!?
 ”相続時精算課税制度(注)”を選択している場合は、相続開始前3年以内に限らず、この制度を選択した以後に贈与したすべての財産を相続財産に加えて相続税の計算をしなければなりませんので、ご注意ください。
 (注) ”相続時精算課税制度”については、詳しくはこちらの記事を参考に。⇒ココをクリック

◆ 過去に納めた贈与税はどうなる?

● 暦年贈与のケース
 3年縛りで相続財産に加算された贈与財産で「過去に納付済みの贈与税」があるときは、加算後の相続財産の相続税から納付済み贈与税を控除できます。このため、加算後の相続税が過去の贈与税よりも少なければ、加算した贈与財産分の相続税はゼロになりますが、控除しきれず、言ってみれば納めすぎとなった贈与税は切り捨てられることに。
 残念ですが、控除しきれなかった贈与税が還付されることはありません。
● 相続時精算課税を選択しているケース
 暦年贈与のケースと同様、相続時精算課税を選択したあとの贈与財産を相続財産に加えて相続税を再計算し、過去に納付済みの贈与税を相続税額から控除します。なお、再計算した相続税が納付済みの贈与税よりも少なければ相続税はゼロとなり、控除しきれなかった贈与税は暦年贈与のケースと違って還付されます。

 相続対策の効果を大きく上げるには「生前に、家族にできる限り財産を分配(贈与など)する」のが基本ですが、分配の時期や方法によっては効果的な節税対策とならないことがあります。遺される家族のために、確実に相続税負担を抑えたいのであれば、税理士などの専門家のアドバイスを受けて、計画的に相続対策を進めていくことをおススメします。

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