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相続&贈与

相続人間の不仲は、相続税でもデメリットばかり!

2017年10月11日

 遺産分割協議や遺言書にしたがって相続人ごとの財産の引き継ぎ内容を決めたのち、相続開始(のあったことを知った日)の翌日から10ヵ月以内に相続税の申告と納税が必要です。今号では、申告期限までに相続人間で分割協議がまとまらなかったケースの取扱い、特に、デメリットについてご案内しましょう。

申告期限までに遺産分割協議がまとまらないと?

 遺言が遺されておらず、相続人間で10ヵ月以内に遺産分割協議がまとまらなかった際の手続きとデメリットはつぎの通りです。
◆ 申告期限内に、法定相続分で申告と納税する!
 分割協議がまとまらなくても、相続人は「申告期限までに、法定相続分の財産」をもらったものとして相続税の計算を行い、相続税を納付(未分割申告)することになります。まとまらないからといって放置しておけば無申告となり、相続税が生じる場合は大きなデメリットが待ち受けることに。
 その後、相続人間で分割協議について合意できたときに、改めて各相続人が実際に取得した相続財産で相続税を再計算します。その再計算の相続税額と法定相続での当初申告税額とが異なっていれば、実際の分割財産に基づいて修正申告か、更正の請求をする必要が。
● 修正申告 :「当初申告税額<実際の分割による税額」のケースで、差額を納付する手続き。
● 更正の請求:「当初税額>実際の分割による税額」のケースで、差額の還付を受ける手続き。

◆ 小規模宅地などの特例が適用できない!
 未分割の状態で法定相続分で相続申告しても、実際に誰がどの財産を相続するのか確定していませんので、”小規模宅地の評価減の特例””配偶者の税額軽減制度”の適用を受けられません。
 つまり、こうした特例制度が受けられないため、未分割の場合の法定相続分での申告では相続税が多額に上り、納税資金の捻出に苦慮しかねないことに。

◆ 分割見込書の提出で3年の猶予が!
 後日、分割確定後の申告で前述の各種特例を適用するためには、まず、当初の未分割での法定相続分での申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して税務署に提出しておかねばなりません。つぎに相続人間で遺産分割について合意して、特例の適用要件を満たすことが確定した後、更正の請求(ないし修正申告)をすれば、遅ればせながら特例が適用できる状況になります。
 といっても特例適用は、原則、申告期限後3年以内に分割された場合に限られますので、相続人間での協議もその間にまとめることが重要です。つまり、仲違いばかりでは最終的に相続人は税の恩典も得られず、納税資金捻出にも苦しみ、さらに、兄弟姉妹が疎遠になってしまうという、デメリットばかりに。

分割見込みの3年以内にまとまらなければ?

 相続人間で揉めに揉めて裁判や調停、審判を仰ぐことにでもなれば、申告期限から3年以内に決着できるとは限りません。それでも決着できず未分割の状態なら、特例適用はできません。それでもつぎの手続きをすることで、相続税では、例外的に救いの手を差し伸べており、特例の適用が可能に。
◆ 承認申請書の提出~2ヵ月以内~
 相続に関する訴え(訴訟)を起こすか、起こされているなど一定のやむを得ない事情がある場合なら、申告期限後3年を経過する日(=相続発生の翌日から3年10ヵ月後)から2ヵ月以内に「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を所轄の税務署長に提出のうえ承認を受ければ、その事情が解決されるまで適用期間を延長できます。
 この手続きにより特例の適用を受けるケースでは、”分割が行われた日(判決等の確定日)の翌日から4ヵ月以内”に「更正の請求(還付申告)」を行わなければなりません。

◆ 承認のハードルは高い!

 単に相続人間での不仲で分割協議がまとまらないといった理由では「やむを得ない事情」にはなりません。訴訟や調停などの裁判上の手続中であるなどの証明等が必要で、「申告期限後3年以内の分割見込書」よりも承認のハードルはかなり高くなっています。

 相続税の申告期限に間に合わない、遺産分割協議がまとまらないのは、相続についての知識が不足していたり、互いに権利を主張して譲らない場合や、感情的になって相続人間での話し合いが十分にできていない事が多いようです。
 状況次第では、第三者(税理士などの専門家)に入ってもらい、仲違いなどにより未分割を放置する大きなデメリットについて説明を受けるなどして、円満な相続に心がけましょう。

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