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相続でもらった土地を売るなら、取得費加算でしっかり節税を!

2017年7月12日

 相続した土地の売却時に利益が出たケースでは、相続税とは別に譲渡所得税・住民税を支払うことになります。譲渡所得税などは「売却価格-購入価格(被相続人の取得価格)=利益」の元に計算します。
 計算結果がマイナス、つまり損失ならは税金はかかりません。ところが利益が出ているケースでも、税金が安くなる制度があるのです。今回はこの「取得費加算の特例」についてご案内しましょう。

基礎編:譲渡所得税の計算の仕組みを知っておこう!

 譲渡所得税(復興税と住民税を含む)は、つぎのように計算します。
 譲渡所得税 =(売却金額 -(取得費+譲渡費用))× 税率

◆ 取得費ってなに?
 ● 取得費の実額がわかっているケース
 土地の取得(=購入)にかかった費用を”取得費”といいます。他人から土地を買った場合は購入費用となりますが、これには土地の購入代金に加えて、購入時に支払った仲介手数料や登録免許税、登記費用なども”取得費”に含めることができます。
 ● 取得費がわからないケース
 相続した土地は先祖伝来の土地だったり、被相続人が数十年前などに購入したものであったりが多く、当時の実際の取得費はわからないというケースがほとんどです。そんなときでも、売却代金の5%ではありますが、”概算取得費”として売却代金から差引けます。

◆ 譲渡費用とは?
 土地を売るために直接かかった費用で、主につぎのようなものをいいます。
 ● 仲介手数料、測量費や売買契約書に貼る印紙代(売主負担分)
 ● 立退料、建物の取壊し費用や取り壊した時の建物の未償却残高 など
 また、修繕費や固定資産税など資産の維持や管理のためにかかった費用などは譲渡費用になりません。

◆ 譲渡所得の計算方法と適用される税率
 土地売却時の譲渡所得は、給与収入や不動産収入などの所得とは分離(分離課税)して計算します。さらに、所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の二つの所得に区分し、税金の計算も別々に行います。
 ● 長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日で、所有期間が5年を超える土地(借地権含む)の譲渡
          ⇒税率:20.315%(地方税5%含む)
 ● 短期譲渡所得:譲渡した年の1月1日で、所有期間が5年以下の土地(借地権含む)の譲渡
          ⇒税率:39.63%(地方税9%含む)

特例編:取得費加算の特例ってなに?

◆ 取得費加算の特例はこうして計算する!
 特例の適用を受ける場合の譲渡所得税(復興税と住民税を含む)はつぎのように計算されますが、相続税の取得費加算額分に見合う譲渡所得税率分だけ税負担が軽くなります。
● 譲渡所得税:
 (売却金額 -(取得費+相続税の取得費加算額+譲渡費用))× 税率
● 相続税の取得費加算額:
 相続税額×"譲渡した土地"の相続税評価額÷相続財産の相続税評価額

◆ 特例を受けるためには?
 この特例は、相続により取得した土地、建物、株式などを一定期間内に譲渡(=売却)した場合に、一定の金額を譲渡資産の取得費に加算することができる仕組みで、具体的にはつぎのとおりです。
 ● 相続か遺贈で財産を取得
 ● 財産取得者は相続税が課税されていること
 ● 財産の譲渡時期:相続開始後3年10ヵ月以内(注)
 (注) 相続開始日の翌日から相続税申告書の提出期限の翌日以後3年を経過日までの譲渡。

 こうした財産を売却すると、ひとつの財産に2種類(相続税と譲渡所得税)の税金が課税される”二重課税”が生じてしまうことから、税負担を軽減する措置として特例が用意されました。

相続開始日によってメリット額が違う!

◆ 相続開始日が2014年以前のケース
 上述の取得費加算の計算式のうち、”譲渡した土地”の相続税評価額となっている部分が、”相続した土地”の相続税評価額、つまり、相続した土地のすべてが対象となるため、取得費に加算される相続税が大きく増えるのです。この結果、譲渡所得税がかからないケースが出るなど、負担が大幅に軽減されていました。
 このケースでの取得費加算の計算式はつぎのようになります。
 相続税の取得費加算額=相続税額×"相続した土地"に対応する相続税評価額÷相続財産の相続税評価額

◆ 相続開始日の違いによるメリット比較をしてみよう!
 相続人を1人として、つぎのケースを用いてメリットを比較してみましょう。
・ 相続財産の相続税評価額:3億円   ・ 納付した相続税額:9千万円
・ 上記のうち、すべての土地の相続税評価額:2億円
・ 譲渡した土地の相続税評価額      :4千万円
★ 相続開始日が2014年以前のケース
 計算式に当てはめると、取得費加算額は6千万円となります。
 「相続税の取得費加算額(最大)6千万円=9千万円×2億円÷3億円」
 売却金額から他の取得費を差し引いた利益が6千万円までなら、譲渡所得税はかからないことに。このメリットは長期譲渡所得換算では1,218万円にも上ります。相続開始日が2014年12月であれば2018年10月までに売却すれば、このように大きなメリットがまだとれるのです。
★ 相続開始日が2015年以降のケース
 取得費加算額は上記の2割の、約1千2百万円しかとれません。
 「相続税の取得費加算額(最大)=9千万円×4千万円÷3億円=約1千2百万円」
 それでも長期譲渡所得では、243万円もの節税につながるわけです。

 相続土地の売却をお考えなら、さらなる土地や上場株の値上がりを待つばかりでなく、取得費加算の特例を使って譲渡所得税の節税を計られてはいかが。実際にこの特例を使って所得税の確定申告を行う際には、間違いのないように税理士にご依頼されることをお勧めします。

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