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相続&贈与

”行方知らずの相続人がいる”ケースの対処法は?

2017年6月14日

 親人が亡くなり、遺産分割協議をしたいが相続人のうちひとりが行方不明で長年音信不通。どこにいるのか、海外にいるのか、はたまた死亡しているのかわからないというケースがあります。
 こんな状況だど、行方不明者を除いて残りの相続人だけで遺産分割協議を行いたいところですが、実は分割協議は無効になってしまうのです。遺産分割協議は相続人全員で行なうこととされているためです。とはいえ、このままでは銀行預金もおろせませんし、自宅はじめ不動産の名義変更もできません。
 今号では、相続人が行方不明の場合にどのような手続きをすればよいのかをご案内しましょう。

行方不明者は、毎年8万人以上にも!

 警察庁の発表によれば、届け出のあった行方不明者数は2015(平成27)年度で8万2,035人で、近年は毎年8万人台前半で推移しています。過去10年間の合計では83万5千人強が行方不明となっている計算に。
 性別でみると、2015年は男性が5万3,319人(65.0%)、女性は2万8,716人(35.0%)で、男女の比率はおおむね65:35での推移となっていています。

相続人が見つからないときは”不在者財産管理人”を選任!

 冒頭でお伝えしたように、遺産分割協議は相続人全員の同意がなければできません。相続人が行方不明で1人でも揃わなければ、その相続人抜きでの分割協議はできないワケです。そこで、家庭裁判所に”不在者財産管理人”の選任を申し立てることが必要になります。”不在者財産管理人”は行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加しますので、相続手続きを円滑に進められるようになります。
◆ 選任されるのは利害関係のない人
 ”不在者財産管理人”に選任される人は、一般的に利害関係のない第三者です。相続の際、利害が対立する可能性のある人を選ぶことは、原則としてできないものと考えておく方が良いでしょう。もし親族内から”不在者財産管理人”を選任したいなら、相続人でない親族であることが大前提となります。

◆ 選任されたら「権限外行為許可」を!
 ”不在者財産管理人”の職務は不在者の財産の管理のため、遺産分割協議の席に行方不明者の代わりに参加することは権限外の行為となります。そのため、家庭裁判所から別途「権限外行為許可」を得ておく必要があります。注意しておきましょう。

もうひとつの選択肢は”失踪宣告”

 行方不明期間が7年以上あれば”失踪宣告”という方法も。”失踪宣告”を家庭裁判所に申し立てて認められると、行方不明者は”死亡”とみなされます。ただし、申立てから認定まで公示催告期間を入れて1年程度かかりますので、行方不明の兄弟姉妹などがおいでなら、親御さんが亡くなる前(相続開始前)から検討されることをおススメします。

◆ 失踪(宣告)の種類は?
● 普通失踪(宣告)
 普通失踪は、音信不通で生きているのか、亡くなっているのかわからない状況が7年以上続いているケースをいいます。
● 特別失踪(宣告)
 地震や津波、火山の噴火などの自然災害で遺体が発見されないとか、雪山で遭難して遺体の行方が分からないなどが1年以上続いたケースでは、特別失踪として扱われます。

◆ 代襲相続人が遺産分割協議へ!
 失踪宣告を申立てて認められた場合、行方不明者に子どもなどの相続人がいれば「代襲相続」として、その子どもなどが遺産分割協議に参加することになります。

 一般的には、行方不明から7年未満のケースでは”不在者財産管理人”を選択し、7年以上経過なら「失踪宣告」を選択します。ただし、音信不通の状態が7年以上経過といっても、必ず「失踪宣告」を選択というわけでもありません。行方不明になって7年以上は経過しているが「地震や津波、山で遭難といった状況でない」ケースでは、家族の感情等を考慮して”不在者財産管理人”の申立てという選択もあり、ケースバイケースで考慮されることが大切です。

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