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相続&贈与

「保証債務」の相続では、こんな厄介なことが!

2017年6月7日

 隠れ借金ともいわれる「保証債務」を気づかぬうちに相続してしまい、相続人が債権者から返済を求められることがあり、これは大変やっかいな問題に。相続のときや事前に「保証債務」の存在を知っていれば、債務額によっては”相続放棄”により「保証債務」の相続を回避できますが、”相続放棄”の手続き期限に間に合わずに、保証債務を相続したこととされるケースではその対応は限られてしまいます。
 そこで今号では、相続される「保証債務」や相続してしまった「保証債務」への対応をご案内します。
 なお、相続税の計算において「保証債務」を債務控除できるかなどの基本的な考え方については”知らぬ間に相続していた保証債務で”自己破産の危機”が!?(2015年11月11日号)”をご覧ください。⇒ココをクリック

相続の対象となる「保証債務」は?

 相続発生時には、親(被相続人)が「自社や他人の借入金の連帯保証人になっているかどうか」を確認する必要があります。また、連帯保証人であっても”相続されるケース”と”相続されないケース”とがあり、この確認も欠かせません。
◆ 借入金の契約書の確認から始めよう!
 連帯保証人か否かの確認には「金銭消費貸借契約書(借入金の契約書)」などの契約書類を探して、連帯保証人欄に「親(被相続人)の名前や捺印」があるかどうかを確認しましょう。連帯保証をしている可能性があると思われる場合は、これら契約書などが見当たらなくとも、親の日記や手紙による確認や親の親しい友人や取引関係者への確認も検討した方がよいかも知れません。

◆ 「保証債務」が相続されてしまうケース
● 金融機関からの借入れの際の連帯保証人
 親(被相続人)が知人・友人に頼まれたり、自社の借入金の連帯保証人になっているケースでは、連帯保証人の地位は”相続放棄”しない限り、相続したものとみなされます。結果として、本来の債務者が借入金を弁済できなければ、相続人に支払い請求(=「保証債務」の履行を求める)が回ってきます。
● 不動産などの賃貸借契約での連帯保証人
 家や部屋を借りる際に連帯保証人をつけるケースがありますが、この連帯保証人の地位も上記同様に相続したものとみなされます。借主が家賃を滞納していたりすると、滞納している家賃の請求やそれにプラスして高率の遅延損害金を請求されるケースもあるようです。

◆ 相続税の対象外とされる身元保証人
 ”身元保証”はある人が誰かに損害を与えたケースなどで、身元保証人がその損害を賠償するというものです。会社での採用時に身元保証人を求められるようなことが挙げられます。”身元保証”はお互い(保証する人・される人)の信頼関係に基づいてなされる契約ですので、その契約の当事者でない相続人にはその地位は引き継がれません。
 といっても、相続が始まっていてすでに身元保証していた人が何らかの損害を出し、損害賠償請求されていれば、身元保証人の地位は相続されるため、注意が必要です。

”連帯保証人”の地位を相続してしまった時の対応は?

 相続放棄手続きの期限が過ぎて、連帯保証人の地位を相続してしまい、債権者から保証債務の履行を求められた時の対応としては、つぎの方法が考えられます。
”相続放棄”について詳しくは⇒ココをクリック
● 全額支払う
 引き継ぐ財産に余裕があり、本来の債務者や他の連帯保証人に借入金の弁済能力がなさそうであれば、高率な遅延損害金などで債務が膨らむ前に全額支払って、元の債務者や他の連帯保証人に求償する方法もあります。
● 金融機関との減額交渉
 一番現実的な方法で、お持ちの資産に合わせた交渉をすることです。ただし、十分な資産があるのに突飛な減額交渉を行うと相手の気持ちを逆なでし、差し押さえや競売などの手続きへと発展しかねません。
 希望的観測で交渉するのは避けた方がよいでしょう。
● 任意整理や個人再生
 任意整理は借金の大幅な減額はできませんが、確実な返済ができるように債権者と債務者で協議して返済計画を立て実行していく方法です。一方、個人再生は借入金総額(住宅ローンを除く)次第で最大90%減額して、債務者の生活基盤を守りながら決められた返済額を数年間(原則3年間)で支払っていく方法です。とはいえ、一定条件を満たしたケースを除き、個人財産はすべて弁済することが前提となります。
 任意整理や個人再生は交渉や手続きが複雑となるため専門家(弁護士等)に依頼されるとよいでしょう。
● 最終手段は、”自己破産”
 本来の債務者が弁済せず、銀行などから「保証債務」の履行を求めらても、財産がなく弁済のメドが立たなければ、裁判所に申し立てて”自己破産”手続きを取るしか選択肢がなくなります。当然、持っている資産はすべて手放したうえでの借金返済の最終手段となります。

 「他人(法人も含む)の連帯保証人になっている」事実は、想像以上に相続に際して相続人の不幸を招きかねない影響の大きい問題です。それゆえ、他人の連帯保証人になる際には家族の反対を恐れて内緒で判を押したりするケースもあり、契約書などのから保証債務の有無を確認するのは結構手間がかかってしまいがちに。事前に親(被相続人)との十分なコミュニケーションを通じて、隠れた「保証債務」を把握しておくことが大切です。

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