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相続&贈与

知っておいて損はない!相続税の控除の基本!

2017年5月17日

 2015年には「基礎控除額が4割減」とされるなど、注目度の高い相続税の改正がありました。この改正で納税義務が生じる相続人の大幅増が見込まれていましたが、国税庁発表の”2015年相続税の申告状況”では「相続税の納税者の相続人数は23万3千人(前年13万3千人)と、前年より10万人(対前年比175%)増」となりました。
 今回は、身近な税になってきた相続税の控除額(非課税限度額)をご紹介しましょう。

法定相続人が多いほど、控除も増える!?

◆ 覚えておこう!基礎控除の計算方法
 引き継いだ遺産総額が「基礎控除額」の範囲内なら相続税はかかりませんので、ご自分のケースで「基礎控除額」がいくらになるのかを知っておくことは大切です。
 基礎控除額は、「3,000万円+(600万円×”法定相続人”の数)」で計算されます。
● 法定相続人は多いほどお得?
 基礎控除額の基になる”法定相続人”は民法上の相続人で、法定相続人の相続順位はつぎの通りとなります。
 ★ 被相続人(亡くなった方)の配偶者:常に相続人   ★ 第1順位:子ども 
 ★ 第2順位:父母や祖父母              ★ 第3順位:兄弟姉妹
 第2順位、第3順位といっても、配偶者や子どもが相続人になるケースでは、法定相続人にはなりません。たとえば、第2順位の父母などが法定相続人になれるのは、上位の子どもがいない場合です。
● 基礎控除額のケース・スタディ
 夫婦と子ども3人の家族で、夫が亡くなったケースでは、妻と子ども3人の合計4人が法定相続人になります。つまり、「(定額控除)3,000万円+600万円×4人(法定相続人)」で求められる5,400万円が「基礎控除額」に。2014年以前の改正前なら、基礎控除額は9,000万円と1.6倍強でしたので、遺産総額はこの範囲で、多くの方が相続税はかかりませんでした。
 改正後は、東京都内など地価の高い地域に自宅があるだけで、相続税の対象となってしまう状況です。

◆ ”みなし相続財産”でも、法定相続人が多いとお得!
● ”みなし相続財産”って、なに?
 生命保険金や死亡退職金など、死亡を起因として配偶者や子どもなど特定の方が受取るお金で、本来は相続財産でないものの、相続税法上”相続財産とみなす”とされて、課税される財産を指します。
● 非課税枠があり、法定相続人が多いとお得に!
 ”みなし相続財産”にも非課税枠があり、その額は法定相続人1人当たり500万円です。先ほどのケースなら、相続人は4人のため、仮に保険金を2,000万円妻が受け取っても、相続税はかからりません。
 またありがたいことに、仮に、家族の中に相続放棄者(財産を引き継がない方)がいても、その放棄がなかったものとして数えられるのです。といっても、受取人と相続放棄者が同一の場合は、その人は非課税枠を使えません。非課税枠の総額の計算は相続放棄がなかったものとして計算しますが、相続放棄者に非課税枠を使うことはできないので、この点には注意が必要です。

続柄や相続人の状況で使える控除が変わる!?

 永年連れ添った配偶者や未成年や障害を負った方などについては、別の恩典があります。
◆ 配偶者控除
 財産のうち、”配偶者の法定相続分”か”1億6,000万円”のいずれか大きな額まで相続税がかからない制度です。この控除を適用するには、配偶者控除後に相続税がかからなくとも、相続税の申告が必要になります。
◆ 未成年者控除
 法定相続人のうち、財産取得時に未成年(20歳未満)なら”未成年者控除”が適用できます。
 控除額は、20歳になるまでの1年あたり10万円です。
 たとえば、15歳なら、20歳までの5年について、50万円の控除が受けられるというわけです。
◆ 障害者控除
 障害者の方が相続したケースでは、一般障害者なら85歳までの1年あたり10万円の控除を、特別障害者では同様に20万円の控除がとれます。
◆ 相次相続控除(これだけが税額控除)
 ひとつの財産(同じもの=自宅の土地建物など)について、10年以内に、2回目の相続税がかかるときには、一定額を控除して税負担を軽くする制度です。
 具体的には、父が死亡し、子が相続(1次相続)し、その3年後に子が死亡(2次相続)して、孫が相続するようなケースをいい、1次相続時に相続税を納付していれば、2次相続では”相次相続控除”として、1次相続で支払った相続税の一部の税額控除を受けられます。

引き継ぐ財産など次第で使える控除

 自宅土地などにそのまま相続税をかけると、自宅を売却せざるを得ないことにもなりかねません。過重な税負担とならぬようにするため、特例が用意されています。
◆ 小規模宅地の特例
 被相続人の自宅敷地や事業用宅地の規模や引き継ぐ相続人の状況などの要件に合致すれば、財産評価額を最大80%減額できる制度を「小規模宅地の特例」いいます。特例に合致すれば、土地評価額で1億円の相続財産が2,000万円で評価してよいことになります。
 居住用宅地なら330㎡(100坪)まで8割減の対象に。対象とする宅地が”居住用”か”事業用”かなど、おかれた状況により使える特例の内容(限度面積や減額割合)が異なりますので、特例に当てはまるかも含めて、税理士など専門家へ相談することをおすすめします。
◆ 贈与税額控除
 贈与税と相続税の二重課税を防ぐための制度として、贈与税額控除が設けられています。
 相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産は相続税の対象として、相続財産に取り込んで相続税を計算することとされています。3年以内の贈与財産については、贈与税と相続税が二重にかかってしまうため、贈与税額控除の形で、過去に納付した贈与税は相続税から控除できる仕組みを用意しているワケです。
 また、過去に「相続時精算課税制度」の適用を選択して大型の贈与を行っているケースでも、贈与税を納付していれば、同様に相続税から過去に納付済みの贈与税は控除できます。
 こうしたことからも、被相続人の死亡日から3年以内の贈与や相続時精算課税制度の適用を受けた記憶があれば、過去の贈与税申告書をチェックしておくことが大切に。

相続税の負担を減らすために

 小規模宅地の特例やその他の税額控除は、「相続税の申告を前提とする制度」です。最終的に相続税がかからないから、申告する必要はないと素人判断されてしまうが少なくありません。申告をしなければ、税額控除が適用されるケースでも控除は使えないのです。
 つまり、「相続財産が”基礎控除額”を超えたら申告!」と考えておくよいでしょう。
 相続税の申告は、一生に何度も経験するものではありません。税額控除を含め、評価や計算の仕組みが複雑ですので、基本を知ったうえで、自分のケースにあてはまるかどうかは、税理士などの相続の専門家へご相談いただくのがおすすめです。

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