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相続&贈与

多額の贈与ができる”相続時精算課税”でも、使い勝手はイマイチ!?

2017年7月19日

”相続時精算課税”の改正メリットのおさらい

◆ ”相続時精算課税”制度の狙いとメリット
 1,800兆円を超える日本の家計の金融資産の多くを60歳以上の方が所有されています。保有財産の少ない両親からだけでなく、多額の財産をお持ちの祖父母から”孫”に多額の財産を移転させて経済の活性化(マイホームの購入など)を導こうとして、”相続時精算課税”制度を導入しました。
 この制度を利用すると、後述のように最高55%にも上る贈与税率が、2,500万円までの贈与では贈与税はゼロで、それ以上の贈与でも20%と、贈与税の負担が軽くなります。といっても、祖父母の相続時には”相続時精算課税”制度を使った贈与については相続財産に取り込んで相続税を計算(贈与税を納付済みなら、税額控除可)する必要があります。

◆ 適用される範囲が改正で拡大
 ”相続時精算課税”制度は、2015(平成27年)にその適用範囲が納税者に有利に拡がりました。
● 贈与をする人:60歳以上の方
 60歳以上の祖父母ならだれでも、孫に多額の財産を贈与した時には、「代襲相続(注1)」の有無に関わらず”相続時精算課税”制度を利用できるようになりました。
● 贈与を受ける人:20歳以上の推定相続人に孫がプラス
 改正前は、受贈者を「20歳以上の推定相続人」に限定していたため、祖父母の"推定相続人(注2)"ではない「孫」は対象になりませんでしたが、改正で「孫」にも自由にこの制度を使って多額の贈与ができるようになりました。

 一般的には、被相続人の配偶者や子が推定相続人となりますが、子が死亡(欠格・廃除含む)など特別な事情で相続人の資格を失っている場合、孫(子の子)が推定相続人とみなされることがあります。
 (注1)代襲相続:死亡した相続人などに代わって、その子(孫)が被相続人の財産を相続すること。
         代襲相続による相続人を、特に「代襲相続人」といいます。
 (注2)推定相続人:いま相続が発生した場合に相続人となる資格を持っている人。
 一般的には、被相続人の配偶者や子が推定相続人となりますが、子が死亡(欠格・廃除含む)など特別な事情で相続人の資格を失っている場合、孫(子の子)が推定相続人とみなされることがあります。

暦年贈与と”相続時精算課税”との違いは?

◆ 暦年贈与
 よくいわれる「暦年贈与」は、一暦年(1月1日から12月31日まで)に110万円までの贈与なら贈与税がかからず、申告も必要なく、手軽で使い勝手の良い生前贈与制度です。110万円とはいえ毎年贈与可能で、贈与を繰り返せば多額の財産が移転できるのです。
 計算上は、祖父母が子や孫6人(仮:子2人、孫4人)に毎年100万円贈与すれば、1年に1,200万円、5年で6,000万円も非課税で移せます。祖父母一人あたり3,000万円に上ります。
 ただこの方法は、贈与する方が元気で長生きが前提とお考えいただく必要があります。相続発生時から3年以内の贈与(相続人のケース)は相続財産に取り込む制度があるためです。

◆ 相続時精算課税
 贈与しても2,500万円までの贈与財産には「贈与税が非課税」となるため、生前に多額の財産を譲りたいケースで有効な制度です。2,500万円超の贈与では、一律20%の贈与税がかかります。
 また、既述のように相続発生時には相続財産への「持ち戻し」がされますので注意が必要です。

”相続時精算課税”のメリットとイマイチの使い勝手!

◆ ”相続時精算課税”を使うメリットは?
● 納税の先送り効果:2,500万円までの贈与は非課税で、実質的な納税の先送りができること
● 相続税の節税効果:値上がりが確実視される財産を贈与しても、相続時には「(値上がり前の)贈与時の価格」で相続財産に取り込めること
● 納税資金・財産分与資金対策効果:アパートなどの収益物件を贈与すると、家賃収入が受贈者に移り、相続財産の増加がストップできる一方、受贈者の財産は毎年増え続けるため、資金調達効果が得られること。

◆ ”相続時精算課税”の使い勝手がイマイチな点
 多額の贈与ができる点ではメリットの大きな”相続時精算課税”制度ですが、プロは「お客様の健康状態・財産の状況・家族環境など」を考慮に入れ、つぎのような点に留意してこの制度をオススメしています。
● 暦年課税に戻れない:”相続時精算課税”を一度選択すると、暦年贈与を使えなくなること
● 110万円以下の贈与でも申告が必要に:”相続時精算課税”の選択後は、少額の贈与でも(相続時精算課税の)贈与税の申告が必要になること
● 小規模宅地の特例との併用ができない:”相続時精算課税”の選択後はこの特例が受けられないこと
    この特例の対象地は相続した土地に限定されるため、生前の贈与土地は対象になりません。
● 孫の相続税額の2割増に

 財産を多くお持ちの祖父が孫に贈与する際に”相続時精算課税”制度を使い、祖母は暦年贈与で孫に贈与する-といった使い分けなどをすることで、効果的な相続対策となります。多額の贈与をしても贈与税が非課税(ないし、20%)という点のみに目がいってしまうことのないようにお願いします。
 実際にこの制度を利用される前には、専門家に財産やご家族の状況を伝えてご相談されるよう、オススメします。

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