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相続&贈与

「生前贈与vs相続」どっちがお得?

2016年11月22日

 2015年からの相続税大増税で”相続税の基礎控除”が4割も減り、”最高税率”も55%に引き上げられたことから、相続税がかかる方が一気に増えて「都内では10人中4人で申告が必要」と言われています。そんな中、節税のための相続財産減らしへの”生前贈与”に関心が。
といっても、贈与税は税率が高いイメージがあり、親と子のいずれの立場でも「財産を引き継ぐ時期~生前贈与or相続~)」は悩ましいところです。そこで今回は、税金の観点から「相続税と贈与税の特徴とその有利不利」についてご案内しましょう。

高額贈与なら、税率は急上昇に!

 贈与税にも基礎控除があり、毎年110万円までの贈与には贈与税がかかりません。贈与税は「財産をもらった人ごとに、1年間にもらった財産の合計が110万円を超えると、超えた額について贈与税がかかる仕組み」です。
 右表右図のように、基礎控除を差し引いた後のもらった財産が200万円(贈与額310万円)までは「特例贈与」、「一般贈与」ともに税率が10%ですが、贈与額が増えると税率は急上昇し、特例贈与なら基礎控除後の財産が3,000万円(贈与額3,110万円)、一般贈与では基礎控除後の財産が1,500万円(贈与額1,610万円)を超えると、半分以上贈与税でとられてしまうことになります。
 (注)特例贈与(右表)は、父母や祖父母などの直系尊属から20 歳以上(受けた年の1月1日時点)の受贈者(子や孫など)への贈与をいいます。

増税後でも、相続では基礎控除が大きく、税率上昇も比較的緩やか!

◆ 相続税の基礎控除
 贈与税の基礎控除と違い、つぎのように「法定相続人の数によって控除額が増える仕組み」です。
  【基礎控除】 3,000万円+600万円×法定相続人数
 たとえば、妻と子2人が相続人であれば、相続財産には4,800万円(=3,000万円+600万円×3人)まで相続税がかからないわけです。

◆ 実際の相続税総額の計算方法
 基礎控除を差し引いた後の相続財産を”法定相続分”で分けて、相続人一人あたりの法定相続分の金額を求め、その財産に税率を乗じて計算します。誰がいくら引き継いだかは、相続税総額の計算には関係がないことになります。
 ややこしいので、試算してみましょう。
● 前  提:  相続財産:2億円、相続人:3人(妻と子2人)
● 課税財産:  1億5,200万円(A)(2億円-4,800万円(基礎控除))
● 相続税の計算((A)×各人の法定相続分×税率):
 ★ 配偶者(妻) 1,580万円{((A)×1/2(法定相続分))×30%(税率)-700万円}
 ★ 子(1人目)   560万円{((A)×1/4(法定相続分))×20%(税率)-200万円}
 ★ 子(2人目)   560万円
 ★ 税額合計(3人の合計)2,700万円(配偶者軽減前)
 総額2億円の財産を相続しでも、適用される税率は20~30%で、確かに贈与税により税率上昇割合が比較的穏やかなのがわかります。

生前贈与の採算の目安(分岐点)は?

 上記相続との比較では贈与税の方が分が悪いようですが、やり方次第では生前贈与が有利になることがあります。
◆ "限界税率"を活用しよう!
 相続より生前贈与が有利になる金額を探すなら、相続税の"限界税率"の活用がポイントになります。相続税の税率は累進スピードが贈与税とは違うものの、同様に財産が多くなれば高率になる仕組みのため、財産総額によって”贈与の損益分岐点(有利な生前贈与の分かれ目)”が違ってきます。

◆ ”贈与の分岐点”は、相続税と贈与税の限界税率の比較でわかる!
 下図をご覧ください。相続税も、贈与税も、基礎控除などを控除後の財産の額次第で”適用される税率”が大きく異なります。
 前述の妻と子2人が2億円の財産相続するケースでは、相続税の限界税率は丸で囲んだ”25%”(配偶者税額軽減前)が限界税率となります。このケースでは、贈与税率で”25%以下”までなら贈与税を負担しても”損はない”ことになるワケです。
 つぎに右側の贈与税の税率20%をみると、特例贈与の贈与額では600万円(一般贈与なら400万円)までのため、基礎控除を差し引く前の贈与総額に置き換えてみると”年に710万円(一般贈与なら510万円)まで”なら、「生前贈与が有利」ということがわかります。

 相続税負担が生ずるケースや潜在的に争族リスクがあり得そうなら、贈与税の基礎控除(110万円)以下の贈与にこだわらず、”贈与の損益分岐点”を意識して贈与を行うことが有効な対策といえるでしょう。とはいえ、贈与するだけでは子や孫に無駄遣いを覚えさせるだけの結果となりかねません。そこで大切な点は、贈与資金を子や孫の資産形成手段となるように組み立てた贈与を配慮することなのです。こうした贈与こそが、親としての”子に対する愛情表現”といえるものとなります。

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