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相続&贈与

相続も国際化!海外資産の範囲は?

2016年8月24日

 経済や人の流れがグローバル化する中で、相続税にも国際化の波が押し寄せています。相続人か被相続人(亡くなった方)が海外に住んでいて、相続財産の全部か一部が海外にあるような相続を「国際相続」といい、昨今注目を浴びています。
 「国際相続」に注目が集まった背景には、●外国に居住する日本人や日本に居住する外国人の増加、●個人投資家の積極的な海外投資などによる海外資産の増加などが挙げられます。特に海外に5千万円超の資産がある人は”国外財産調書”の提出が義務付けられているため、なにが海外資産なのかの判断で悩むケースもあるとか。
 そこで今回は、海外資産の判断基準や国税当局の対策について簡単にご紹介します。

海外資産の範囲は!?

 まずは相続税法からみたときに相続財産が海外資産になるか否かからみてみましょう。海外資産になるかは「財産の所在地」が決め手になります。一般的に、不動産など一見すればどこにあるのかわかる財産は別として、預金や債券などには「外国、外貨」などの名前が付されていても、本当に「海外資産」となるかわかりにくいものが数多くあります。こうした財産は、つぎのように判断します。
● 外貨預金
 預け入れた金融機関の支店が日本にあれば、「国内資産」とされます。逆に、預け入れた支店が海外なら「海外資産」に。たとえば、円預金でも、海外の支店の円口座に預け入れれば「海外資産」となります。
● 外国株式
 株式は”発行法人の本店所在地”が判定の基準となり、判定に際しては、国内の証券会社を通じての購入か、外国の証券会社を通じての購入かは関係ありません。
● 外国債券
 公社債は、その”発行体の所在地”が判定の基準となります。この場合も外国株式と同様に、国内の証券会社を通じた購入か、外国の証券会社を通じた購入かは関係ありません。なお、日本政府が発行する国債は、たとえ外貨建てであっても発行体が日本であるため、「国内資産」となります。
● 外国投資信託
 外貨建てMMFや証券投資信託は、目論見書に記載された”信託の受託者の所在地”が判定の基準となります。一般的には信託の受託者所在地は海外にあることが多く、「海外資産」にあたるとみられますが、目論見書も確認されることをおススメします。

海外に逃げてゆく人と資産!その包囲網は!?

 相続税以外にも、キャピタルフライト(資産の海外移転や居住地変更による租税回避的な行動)を抑制する目的で、国税当局はここ数年でつぎのような規制を巡らせて、富裕層個人の資産の把握や課税に躍起になっています。
◆ 国外財産調書の提出義務
 冒頭のように、12月31日現在で海外に5千万円超の不動産や金融資産をお持ちなら、翌年の3月15日までに税務署に「国外財産調書」の提出が義務付けられました。このため、「海外資産」か「5千万円超」かの判定は毎年時価評価などを含めて適切に行う必要があります。

◆ 出国税(国外転出時課税制度)の創設
 2015年7月1日以降に国外に転出(長期的に出国)する方でつぎの要件すべてにあたれば、(売却してもいない)お持ちの有価証券等の含み益に所得税(譲渡所得)が課税される制度です。
【課税対象者の要件】
● 所有する有価証券等の価額(時価)の合計:1億円以上
● 国外に転出日の10年前まで:5年超の期間、国内に住所(居所)がある
 これから海外に住もうと思われる方で、過去10年のうち5年(通算)を超えて国内に居住されていた方が有価証券等を1億円以上お持ちなら、所得税がかかってしまうわけです。

◆ マイナンバーの創設
 いまのところ、社会保障や税、災害対策での限定とされているマイナンバーですが、近い将来、預金や株式などの金融資産にもマイナンバーが利用されると、国税当局が国民の財産を簡単に把握できる仕組みができあがることに。どうやら、国のマイナンバー制度導入の本音はこちらにありそうです。

各国の富裕層対策も加速!

 数年前から富裕層に向けた各国の課税対策は活発に行われているようです。OECD加盟国を中心に税に関する情報を各国間で交換し、国際的な租税回避の防止のための法改正など、今後もさらに加速することでしょう。これからの投資では、「いかに収益を得るか」だけでなく、”投資によるリスク”は何か、そして”それは自分の子や孫の将来にどんな影響を及ぼすか”についても考えねばならないようです。

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