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相続&贈与

改正で使い勝手がよくなった”相続時精算課税”~その2~

2015年8月26日

 今号では、”相続時精算課税制度”のより具体的なメリットとデメリットをご紹介しましょう。

”相続時精算課税”を使うなら、贈与する財産がキーポイント!

◆ 一度に多額の贈与ができる!
 この制度を活用すると、特別控除額(2,500万円)までなら、贈与税なしに一度に多額の贈与ができ、最大の魅力となっています。暦年贈与で2,500万円をまとめてプレゼントすれば、贈与税は810万円強のため、大型の資産移転をスムーズに進めるときに有効な手法といえましょう。

◆ 贈与は収益物件が最適で、相続税対策にも!
 アパートや店舗といった賃料収入が期待できる収益物件を贈与すれば、その後は贈与者の財産(=賃料の純収益分)が増えないため、相続税の節税対策の一つになります。また、受贈者は毎年定期的な純賃料収入を得られ、事前の財産分与や将来の親御さんの相続税の納税資金の準備もできることに。
◆ 値上がりが期待できる財産の贈与も!
 この制度では、贈与者の相続発生時に相続財産に加えられる贈与財産は”贈与時の価額”のため、将来の相続時の財産価値が贈与時より値上がりしていれば、値上がり分だけ有利となります。とはいえ、将来の財産価値を予測するのは難しく、逆に値下がりすれば不利にもなるため、諸刃の剣といえましょう。

意外と多い!?”相続時精算課税制度”のデメリット!

◆ 2,500万円超の贈与では、贈与税の申告と納税が必要に!
 この制度を選択して贈与をした後は、その贈与者からの贈与では”暦年贈与(110万円の基礎控除あり)”は使えず、たとえ100万円の贈与であっても申告をして20万円(一律、税率20%)の贈与税を納めねばなりません!
◆ 贈与財産がなくなっても相続税の対象に!
 金融資産(預金、上場株式など)をこの制度を使って贈与したあと、受贈者が相続までに使い切ってしまったケースでも、贈与者の相続発生時には相続財産に贈与額を含めて相続税を計算する羽目に!
◆ 「小規模宅地の特例」や「物納」の対象外に!
 「小規模宅地の8割減などの特例」や「物納」は、相続取得財産でしか使えません。つまり、この制度を選択して贈与を受けていれば、その財産は相続財産ではなく贈与財産のため、相続税の対象とはされるものの、これらの特例が使えないのです。
【ワンポイントアドバイス】
 相続時に「小規模宅地の評価減の特例」を受けたい土地などは、”相続時精算課税”を使って贈与しないことがポイントです。
◆ 孫への贈与もOKでも、負担が大きい!?
 20歳以上の孫への贈与についても、この制度が使えるようになりました。とはいえ、孫は法定相続人ではないため、祖父母の相続発生時には、相続税額は2割増しになります!
【ワンポイントアドバイス】
 相続税の2割増しは避けられないものの、祖父母との間で養子縁組をしておけば、相続税の基礎控除の人数(法定相続人)にも加えられ、相続人一人あたりの相続財産も少なくなるため、相続税率も下がり、相続税の節税につながります。

”利用価値”に着目して贈与しよう!

 ”相続時精算課税制度”は上述のように通常の節税対策としての大きな効果は得にくいのですが、つぎのようなケースでは活用価値が大きくなります。
 ● 同族会社(中小企業)のオーナーの自社株対策
 ● 特定の財産を、特定の相続人に揉めずに引き継がせる対策
 ● 遺留分の減殺請求対策としての活用など

 2015年1月の改正で、この制度を選択できる贈与者、受贈者の要件が緩やかになったため、利用者は増えるかもしれません。といっても、この制度を利用するなら、贈与者や受贈者の置かれた状況、贈与財産の種類や将来価値など、さまざまな制約や条件に配慮せねばならず、注意が必要です。相続税についても増税改正となった今、この制度の選択については目先のメリットに踊らされることなく、慎重な対応が求められます。何はともあれ、この制度の選択に当っては、相続に詳しい専門家に相談されることをお勧めします。

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