相続&贈与
■ 今年12月末から国外財産は税務署に報告!
年末時点で「国外に5千万円超の財産」をお持ちの方は、来年3月15日までに税務署へ届け出る”国外調書の提出制度”がスタートします。
最近、国税庁が提出書類の具体的内容を発表しましたので、ちょっと中身をみておきましょう。
◆ いまのうちに所在地を調べておこう!
財産は「事業用」か、そうでない「一般用」に区分して記載することになっています。
また財産の所在地も記入が必要です。
不動産や動産は所在地が外国にある場合、有価証券や預金は管理している金融機関の支店が国外にあれば、報告が必要です。具体的には、不動産ならその所在地、外貨預金なら外国銀行の支店住所、外国株なら管理口座のある外国証券会社の支店住所などが、国外なのかどうかで判断します。
財産の種類が多い方は、作成にかなり時間がかかりそうです。今のうちに調べておきましょう。
◆ 年末の為替レート次第では報告義務が…
国外財産調書に記載する価額は、「12月31日の「時価」か時価に準ずる価額として「見積価額」を記入してください」とされています。といっても海外にある財産のため、当然外貨で表示されています。まず日本円で評価することからはじめねばなりませんが、その際には、12月31日の「外国為替の売買相場」を使うことになります。
【計算例】 米ドル建てファンド1万口(時価:1口5㌦)、12月末日レート:1米㌦=¥100
5米㌦×10,000口×¥100 ⇒ ”500万円”が評価に!
年末の為替レート次第で、5千万円を超えるかもしれません。微妙かもしれない方などは早めの準備が欠かせません。
◆ エ~ッ、こんなに報告しなくちゃいけないの?
実際のところ、国外財産の範囲はかなり広いのです。元々相続税の課税もれをなくすのが狙いのため、相続税がかかる財産はすべて対象になるというわけです。
では、財産の種類別にどんなモノが対象かチェックしてみましょう。
● 不動産
★土地(林地を含む。)、★建物、★山林
● 金融資産
★預貯金(当座預金、普通預金、定期預金等の預貯金)、★現金、★有価証券(株式、公社債、投資信託、特定受益証券発行信託、貸付信託等の有価証券)、★貸付金、★未収入金(受取手形を含む。)
● 動産など
★書画骨とう及び美術工芸品、★貴金属類、★家庭用動産(家具、什器備品などの家財や自動車など)、★その他の財産
■ もし報告しなかったら、厳しい罰則が!
「本当にこんなに細かく報告するんだろうか?」というご質問を受けますが、罰則が厳しいのが新制度の特徴です。国外財産の報告をしていないケース、報告はしたが記載していない財産があったケースなどで、後日に所得税や相続税の申告もれがわかってしまうと、”過少申告加算税の5%上乗せ”となってしまいます。
また国外財産調書に嘘を書いたり、提出しなければ、なんと”1年以下の懲役または50万円以下の罰金”の対象にまでなってしまうのです。といっても、こちらは初回は対象とならず、2015年以後に適用となります。
感動相続!の”あんしん財産(管理)サービス”なら、投資されているファンドなどの時価をいつでもご確認いただけます。他の財産も含めて一度確認され、国外財産が5千万円超で提出義務があるかどうかチェックしておかれては?