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保険会社が破たんしたら、契約はどうなる?

2021年8月4日

 遺族の生活保障や相続対策などで広く活用される生命保険は、相続対策などでは保険料は大きな負担になりがちです。その割に、契約者は意外なほど保険会社の保有資産や経営状況などには関心がないように感じられます。コロナ禍の拡大以来、万一はあると考えるべき時代に。破たんなんてことになれば…。
 今号では、保険会社の破たん時の「契約者保護の仕組み」についてご案内しましょう。

過去には何社も破たんしていた!?

 戦後初の破たんは”日産生命”で、それ以後7社(注1)が破たん手続きか、会社更生手続きをしました。
 (注1)東邦生命・第百生命・大正生命・千代田生命・協栄生命・東京生命・大和生命
● 破たんしたワケは?
 国が主導してきてつぶれないはずだった生命保険会社は、主につぎのような理由で破たんしています。

 ・ 高利回りの生命保険の積極的な販売
 ・ バブル崩壊やリーマンショックなどの影響による株価下落に伴う
  財務内容の悪化
 ・ 積極的な不動産融資の不良債権化
● 破たんした結果、どうなった?
★ 業務の停止
 保険契約の新規加入や変更など様々な手続きが一定期間停止されます。それでも、保険金や給付金の支払いは継続されます。
★ 保険契約内容の見直し
 保険契約者には予定利率(契約者に約束する運用利回り)の変更などが行われ、不利益を被ることに。また、破たん後引継いだ保険会社が既契約の中途解約防止のために、解約返戻金を一定額減額するケースも。

セーフティネットで、安心!

 日産生命の破たん時にも契約者保護制度(基金)はありましたが、当時の支援額では賄い切れず数々の問題が表面化したことから、1998年12月に「生命保険契約者保護機構」が創設されました。
● 生命保険会社の加入を義務化!
 国内で事業展開するすべての生命保険会社はこの保護機構への加入が義務付けられ、各社は負担金(拠出金)を支払い、万一の破たん時には「他の保険会社への契約の移転や保険金支払いの資金援助」を行います。また、一定の条件のもとでは公的資金(税金)が投入されることも。
● どう契約者を保護する?
 生命保険会社の破たん時には、資産売却などで得た資金を配当で受け取る余地はあっても、保険契約は継続されず、デメリットが生じます。また、破たん時のご本人の年齢や健康状態によっては新たな生命保険に加入できないことも。
 そこで、「生命保険契約者保護機構」ではつぎのように契約者保護を図ることとしています。
★「救済保険会社」への資金援助:救済保険会社は破たん生命保険会社の契約を承継
★「承継保険会社」に契約引継ぎ:「救済保険会社」なき場合、保護機構の子会社を設立し、契約を承継
★ 自ら保険契約を引き受け   :「生命保険契約者保護機構」が破たん会社の契約を引き受け
 なお、上述の破たん8生命保険会社は一定の条件のもとで「救済保険会社」により救済されています。

自らの身を守る意識も必要!

 このように生命保険には一定の補償が約束されていますが、自分の身は自分で守る意識も必要です。生命保険の加入時には、情報開示されているつぎのような財務(業績)指標を参考に、生命保険会社の大まかな経営状態を確認しておくとよいでしょう。
● ソルベンシー・マージン比率
 保険会社の保険金等の支払能力の充実度合いを示す比率をいい、値が200%を下回ったら「金融庁が何らかの監督上の措置(早期是正措置)をとる」こととされています。
● 実質純資産比率
 すべての契約者に保険金を支払う前提で、どれくらいの金額が残るのかを表した指標です。これがマイナスになると債務超過状態と見なされ、業務停止命令などの措置がとられます。
● 格付け機関による格付け
 格付け機関では、入手可能なさまざまな指標データを基に保険金の支払能力や財務状況を元に保険会社を格付けしています。格付けの記号や定義は格付け機関によって異なるものの、参考にはなります。

 2008年の大和生命の会社更生手続き以降、生命保険会社の破たんはありません。といっても、今後絶対にないとは言い切れません。「生命保険契約者保護機構」による保護があっても、破たんすれば契約者は一定のリスクは負わされます。生命保険会社の財務(経営)状況にも注視が必要ですね。

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