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不動産所有者が避けて通れないのが固定資産税。3年に一度、固定資産税評価を見直し、今年が見直し年に。今号では、固定資産税の仕組みや市区町村の課税ミスを見逃さぬチェックポイントをご紹介します。
固定資産税の仕組みと税金の計算法は!?
● 固定資産税の課税方法は所得税や法人税とは違う!
★ 所得税・法人税 「申告納税方式」
自分で税金を計算して申告する方式で、所得税や法人税のほか、消費税や相続税も申告納税方式です。
★ 固定資産税など 「賦課課税方式」
固定資産税や都市計画税では「土地・建物の所在市区町村が、毎年1月1日現在の所有者に税額を計算して通知し、納税者は納付書(同封)などで納める」、賦課課税方式がとられています。
● 固定資産税の計算はすごく単純!
★ 固定資産税などの計算方法
土地・建物の所有でかかる税金には”固定資産税と都市計画税”があり、つぎのように簡単に計算できます。
・ 固定資産税: 課税標準額×税率(1.4%)
・ 都市計画税: 課税標準額×税率(0.3%※)
※この税率は東京23区内にある土地・建物の税率の例。
地域で税率が異なるケースがあり、不動産の所在市町村で確認してください。
★ 税金の対象となる課税標準額は?
課税標準額は、原則、総務大臣が定める固定資産評価基準に基づき計算された評価額をいい、3年ごとに見直されます。ただし、住宅用地は後述の軽減措置などがあり、税負担が軽くなっています。
納税通知書のチェックポイントは?
固定資産税などの納税通知書を受け取ったら、つぎの点をチェックしておきましょう。
● 納税通知書の宛名チェックも忘れずに!?
相続登記をしなかったことで「納税通知書が個人宛に送付されてビックリ!」ということも。登記を放置しておくと、将来の相続や不動産売却時に余計な費用や手間がかかるため、早めの登記をお勧めします。
政府は”相続登記の義務化”に向け準備中で、2023年度の施行見通しです。
● 軽減措置の適用の有無チェックも忘れずに!
固定資産税などでは「住宅用土地について軽減措置(下表)」がありますが、正しく適用されずにいるケースもありえるので、通知書の内容をチェックしておきましょう。
★ 小規模住宅用地の軽減特例 固定資産税の課税標準額が1/6(都市計画税は同1/3)に軽減
★ 新築及び耐震、バリアフリー、省エネなどの改修住宅に対する固定資産税の減免措置
● ”住戸1戸につき”の用語に注目!
上表の住宅用地の地積(面積)欄の”住戸1戸につき”という用語に注目です。1軒の家に見える2世帯住宅でも、固定資産税などでは住宅2戸扱いと有利に。つまり、2世帯住宅では”小規模住宅用地”の軽減特例は400㎡に倍増し、固定資産税などは大きく負担減というワケです。構造や床面積要件にも注意が必要です。
アレ!固定資産税がおかしいと思ったら
● 便利な”縦覧”制度を活用しよう!
”縦覧(じゅうらん)”制度は、「他人の土地・建物の価格と比較して、所有地や建物の価格が適正か」を確認するための制度です。納税者なら誰でも、4月初めから概ね2ヵ月間(東京23区は3ヵ月)、すべての土地・建物の評価額などの「縦覧帳簿(台帳)」がご覧になれますので、近所の評価額などと比較されては。
● 市区町村への問い合わせもOK!
固定資産税などの税額に疑問を感じたら、市区町村役場へ直接問い合わせましょう。
軽減特例の適用の有無など、比較的簡単な問合わせならすぐに回答してくれます。不服があれば、納税通知書の受領日の翌日から3ヵ月以内に「審査の申し出」ができます。
ちなみに、固定資産税の評価額は不動産取得税や登録免許税の計算にも影響しますので、不動産を購入した初年度には納税通知書は念入りなチェックがお勧めです。