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台風や集中豪雨などの災害では、所得税が助け船に!?

2019年9月18日

 このところの集中(ゲリラ)豪雨・台風での土砂崩れや河川の氾濫などで、全国的に大規模な床下・床上浸水、暴風雨による自宅損壊などの被害がもたらされています。
 被災された皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
 こうした災害に遭った方々は、日常生活を取り戻すだけでも大変な上、金銭面でも負担を強いられます。日頃は納めるだけの所得税などにも、被災者の日常生活の再スタートをサポートする制度があります。
 今号では、所得税法上の知っておいて損のない「雑損控除」などの制度についてご紹介しましょう。

雑損控除と災害減免法による税額控除

 災害による被害に遭ったら、翌年の確定申告の際に「雑損控除」と「災害減免法による税額控除」のいずれか有利な制度を選んで、所得税を軽くできます。といっても、両制度には損失の原因と損害を受けた資産の範囲(下図参照)が異なりますので、ご留意ください。
◆ 損失の原因と損害を受けた資産の範囲
● 「雑損控除」を選ぶと                    所得控除
 「雑損控除」は災害以外に、盗難や横領での「生活に通常必要な資産」の損失を控除対象にできます。
 災害には害虫・害獣などによる災害も含まれるため、シロアリ被害で自宅建物の原状回復費用や駆除費用なども控除の対象に!ところが残念ながら、事前にシロアリの被害を防ぐ費用(防蟻工事)は対象でなく、盗難でも「母さん助けて(オレオレ)詐欺!」も対象ではありません。
● 「災害減免法」を選ぶと                   税額控除
 「災害減免法」では、対象は”災害による住宅か家財の損害”に限られ、さらに”損害額が住宅や家財価額の2分の1以上”である必要が。また、災害に遭った年の”所得金額が1,000万円以下”でないと税額控除がとれません。

◆ 控除額及び軽減額の計算方法
● 「雑損控除額」の計算方法
 「雑損控除」では、つぎのいずれか多い額が控除額となります。
 ①(損害金額(注1)+災害関連支出(注2)-保険金などで補てんされる金額)ー 総所得金額×10%
 ②(損害金額(注1)+災害関連支出(注2)-保険金などで補てんされる金額)のうち災害関連支出 ー 5万円
   (注1) 損害金額とは、損害を受けた時の資産の時価。
   (注2) 災害関連支出は、災害で滅失した住宅、家財などの取壊費用や除去費用。
● 災害減免法による税額控除額の計算方法
 つぎのように、所得金額に応じて「所得税を全額控除から25%軽減まで」の3つの区分で税額控除(メリット)をとれます。

来年の確定申告時のポイントは!?

◆ 損失額の計算方法
 災害損失額は、所得税では「損失発生時の資産の時価」とされています。盗難や横領なら計算も比較的容易ですが、住宅や家財、車両ともなれば損失の見積もりは簡単ではありません。
 そこで国税庁では、HP上で住宅、家財、車両に災害を受けた場合の「損失額の算出方法」を公開しています。それでも不安がある方は税理士に相談されるとよいでしょう。
 「損失額の算出方法」ココをクリック

◆ 災害損失は、3年間繰り越せる!
● 「雑損控除」を選択するケース                災害損失の3年間繰越控除
 「雑損控除」では、被害損失が大きくその年の所得金額から引ききれなければ、損失申告書の提出を条件に、翌年以後3年間繰り越して、その後の所得金額から控除できます。
● 「災害減免法での税額控除」                 繰越控除制度なし
 繰越控除の取扱いはありません。
 どちらが有利な選択かの判断の際には、こうした点をおさえておく必要があります。

◆ 前倒しでの申告もOK!
 災害関連支出は”実際に支出した年分の雑損控除となる”のが原則ですが、仮に2019年8月に災害に遭い、住宅に損失を被ったケースでは、来年(2020年)年3月15日(確定申告期限)までに取壊し費用などを実際に支払っていれば、2020年1月から3月15日までに支払った費用も2019年分の損失として前倒しして確定申告できます。

◆ 確定申告で用意する書類は?
 確定申告すればよいといっても、申告書にはつぎのような書類を添付する必要があります。
● 被害を受けた資産の内訳明細
● 取壊し費用、除去費用など、被害関連での支出の明細のわかるものと領収証
● 被害に関連して受け取る保険金、損害賠償金等の金額がわかるもの

 さらに、市町村から「り災証明書」や被害届の交付や申請を受けて、証明書があればよりよいですね。

 これまでご案内した同様な制度を設けている地方自治体も多々あるようです。皆さまのお住まいの自治体に問い合わせて、地方税についても税負担の軽減を図られることもお忘れなく。

 災害に遭われると、税金にまで気が回らないのが当たり前。でも”もしも”の時のために、事前に知っていればスムーズな再スタートの役に立つことは間違いありません。防災グッズの一つとして頭の片隅に留めていてくだされば幸いです。

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