感動相続

文字サイズ大中小

充実ライフ!

”配偶者控除の廃止?”で働き方は変わる!?

2016年10月5日

 安倍政権が打ち出した「一億総活躍社会」を背景に、税制でも専業主婦を優遇する「配偶者控除」を廃止し、女性の社会進出を促進させて働く女性との不公平感をなくそうとするようです。「配偶者控除」があるため、働くことをためらったり、セーブしている女性が多いことも廃止要因の一つで、早ければ来(2017)年1月から廃止される可能性も。
 そこで、時代にそぐわなくなりつつある「配偶者控除」の今後についてご案内いたします。

配偶者控除ができた背景と控除の仕組みは?

◆ ”内助の功”に報いるための配偶者控除だった!?
 配偶者控除ができたのは1961年の高度成長真っ盛りのころで、家庭の家事を担い、外で働く夫への”内助の功”に報いるために創設されました。
◆ 配偶者控除とは?
 所得控除のひとつの配偶者控除は、夫の所得から38万円(地方税:33万円)を差し引くことで、課税所得が減るため所得税等負担も減って、夫の手取りを増やす効果があります。一般的に控除額が同じなら税率の収入の多い高所得者がより大きな恩恵が受けられる制度です。また、共働き世帯では控除できないため、これらが不公平感を生んでいます。
 配偶者控除を受けるための要件は、つぎのとおりです。
 ● 民法上の配偶者であること。
 ● 納税者と生計を一にしていること
 ● 配偶者の年間合計所得が38万円以下であること
 ● 事業所得者では、事業専従者(青色申告者)か事業従事者(白色申告者)でないこと
◆ ”103万円”の壁とは?
 配偶者控除を受けるための3つ目、”年間合計所得が38万円以下”の要件が重要です。たとえば、夫がサラリーマン、妻がパートと仮定すると、妻のパート収入(給与収入)が103万円(給与所得控除を差引く前の総額)がボーダーラインとなり、このラインを超えなければ夫は配偶者控除を受けられ、妻も課税されません。 これが”103万円の壁”といわれ、課税されないよう妻がパート収入を103万円以下に就労調整をする実態がありました。

廃止されたらどうなる!?

 制度の廃止で、これまで配偶者控除を受けていた方(夫)は税負担が増えることになります。増加額を試算してみましょう。現在の所得税率は5%~45%、住民税率が10%のため、単純計算では、年に5.2万円から20.4万円の負担増が見込まれます。
 そこで、制度の廃止によって生まれる財源を使って、子育て支援などに補助金制度を設ける案やつぎのような新しい控除を創設しようという話が出ています。
◆移転的基礎控除
 配偶者控除の代わりに配偶者の所得のうち控除し切れなかった基礎控除を本人(夫)に移転させて控除できるようにするものです。仮に、妻のパート収入が年80万円とすると、現制度下では夫は配偶者控除を満額(38万円)とれます。一方移転的基礎控除では、夫の基礎控除額を「本人分38万円に、妻の控除しきれなかった基礎控除額23万円(妻基礎控除38万円-(パート収入80万円-給与所得控除65万円))を加えた、合計61万円(下図参照)」とするというものです。

◆夫婦控除
 もうひとつ検討されているのが”夫婦控除”です。この控除は配偶者の収入に関係なく適用される見通しで、夫婦ならどのような働き方をしても同じ結果が得られるため、公平感もあります。少し異なりますが、米国では昔からジョイントリターンという申告書をIRS(内国債入庁=日本の国税庁)に提出することで、夫婦が一緒に収入を申告して、2人分の控除をとれる制度があります。

 なお、現行の配偶者控除に代わる所得控除が創設されたとしても、その適用には所得制限が設けられる公算が大きく、高所得者層の方にとっては確実に増税が待ち受けていることに。

もうひとつの壁にも注意!

 所得税の配偶者控除の”103万円の壁”のほかにも、パートで働く主婦を困らせているのが”130万円の壁”です。夫が給与所得者のケースでは、妻のパート収入が130万円を超えると社会保険に加入することとなり、健康保険や厚生年金の保険料を妻が負担せねばならず、この”130万円の壁”も主婦の社会進出の大きな障害となっています。
 さらに2016年10月からは●従業員500人超の企業で働き、●週20時間以上を1年以上勤務し、●年収106万円以上となるパート従業員は社会保険料加入が義務付けられ、職場環境の違いで”106万円の壁”を意識しなければならない人も出てきそうです。逆にいえば、106万円前後の収入なら、中小企業に勤めるなら社会保険加入を意識せずにすむことになります。

 配偶者控除の廃止は、働く女性との課税面でのバランス(公平感)を考えて行われる側面が強く感じられます。税金や社会保険料の負担を気にして働く時間を調整している世帯では、これを機に配偶者のキャリアアップのための自己投資や良い職場探しなどをして、やりがいのある仕事を見つけて、同時に収入アップを図っていく時代になってきたのではないでしょうか。

関連キーワード: 社長 | 所得控除 | 配偶者控除 | 所得税 | 夫婦控除
お問い合わせは
「英和コンサルティング株式会社/英和税理士法人」まで
無料相談受付中 相続のことならお任せ 03-3491-3811(代) 営業時間/9:00~17:30 定休日/土、日、祝日
メールフォームでのお問い合わせホームページはこちら
おすすめ記事
よく読まれている記事
PAGE TOP