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あんしん経営

ときどき耳にする”合同会社”ってどんな会社?

2021年5月12日

 2006年の会社法改正で設立が認められた会社形態が”合同会社”です。主に個人事業から法人になる(法人成り)ケースや比較的小規模な事業で法人化するケースでは”合同会社”が選ばれるようです。
 その一方、アップルやアマゾン、グーグルといったブランド化に成功している大手外資の日本法人も”合同会社”化に踏み切っています。今号では、”合同会社”活用のメリット・デメリットをご案内しましょう。

”株式会社”との違いは?

 会社といえば最初に頭に浮かぶのが”株式会社”ですが、”合同会社”との違いを掘り下げてみましょう。
● 合同会社の「社員≠従業員」!?
 合同会社には「社員」という機関が出てきますが、株式会社での「株主(=出資者)」に相当し、従業員ではありません。合同会社に2人以上の「社員」がいれば、「代表社員」を決めておくのが一般的です。
● 株主総会では”株数”、社員総会は”人数”で決める!?

 会社の最高意思決定機関は、株式会社では「株主総会」、合同会社なら「社員総会」とされますが、議決の取り方に決定的な違いがあります。
 一般的な議題は、株主総会は「議決権のある株数」の過半数で決しますが、社員総会では「社員の数」の過半数で決します。つまり、株式会社では出資額(持株数)の多寡で影響力を行使でき、一方、合同会社では出資額に関係なく議決権は平等に与えられています。
● 合同会社は”所有”と”経営”が同じ!?
★ 株式会社は所有と経営が完全分離
 株式会社にはオーナーとしての株主がおり、事業経営は別の者(取締役)が担う形態です。つまり、「所有(資本)と経営が完全に分離」しています。この形態の最大メリットは、出資をしなくても、能力があれば経営者として事業を担える点にあります。
★ 合同会社は「所有=経営」?
 合同会社は、原則、「所有と経営」は一致しており、”出資者”と”経営”を分けずに、社員である出資者全員で経営にあたることになります。

 法的な位置づけとは違っていますが、中小企業でオーナー経営なら「株主=経営者」(同一人)であることも多いので、実質的な違いを感じるのは難しいかもしれません。

”合同会社”活用のメリット・デメリット

 ここでは、”合同会社”にするメリット・デメリットをご案内しましょう。
◆ ”合同会社”活用のメリット
● 会社設立費用の安さ!
 株式会社や合同会社、その他の会社の設立には、会社の登記費用など一定のお金がかかります。
・株式会社:設立費用は、最低24万円強 ・合同会社:10万円程度(いずれも電子定款は利用しない)
● 役員任期は無制限!
 会社法で、株式会社は代表取締役など役員の任期を原則2年間と定めているため、任期終了の都度、取締役の選定手続が必要で議事録などの書類作成をはじめ、法務局への届出などの作業と費用がかかります。
 一方、合同会社では代表社員などの役員任期の定めがないので、変更の手続も不要で費用もかかりません。つまり、一度設立してしまえば、取締役の変更などをしない限り維持コストはゼロで済むメリットが。

◆ ”合同会社”活用のデメリット
● 社会的認知度はやっぱり劣る!
 最近増えているとはいえ、株式会社と比べると認知度は低く、信頼度は劣るといわざるを得ません。取引先が合同会社との取引を嫌ったり、人材の採用にも影響があるかも。支障があれば株式会社への変更も可能で、社員全員の同意や債権者保護手続きなどの手間はかかりますが、約10万円(司法書士への報酬を除く)ほどの費用でできます。
● 資金調達に難点も!
 資金調達では、株式会社は増資での調達が可能で、株主への返済義務もありません。一方、合同会社ではできません。合同会社で多額の資金需要があれば金融機関からの融資や社債発行などの手当てが必要です。
● 権利が平等なら対立も!
 社員が出資者と役員を兼ねているため、社員間での対立が起こると、意思決定や業務執行がストップする可能性が高く、問題解決が困難となるケースも。
 合同会社の設立は、信頼できるパートナーと行うのがキーになります。

”合同会社”はこんな人におススメ!

 ”合同会社”は個人事業と比べると、法人格を得られ、多くのメリットを享受できます。
 一方、株式会社との比較では、上述のように社会的な信頼度という点で見劣りします。こうした点を考慮して”合同会社”に向いている業種・業態はカフェやバー、エステなどの飲食業や美容業、学習塾やペットショップなど一般消費者向けサービスを行う業種があげられます。
 個人顧客は会社組織がどうこうということをあまり気にかけない点がポイントです。

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