あんしん経営
新型コロナウイルス感染の拡大による中小企業や個人事業主への影響は計り知れません。本稿では、資金繰りに苦しむ皆さまに「新型コロナウイルス感染の拡大に伴う融資制度など」をご紹介いたします。
新型コロナ拡大の影響による特別貸付と無利子融資
日本政策金融公庫(以下、公庫)では、「新型コロナウィルス感染症特別貸付」制度で、中小企業の資金繰りのサポートをしていますが、その内容の確認と無利子となるケースをご紹介しましょう。
◆ 新型コロナウィルス感染症特別貸付の概要
特別貸付の概要は次のとおりですが、詳細は下記URLをクリックして公庫の”ご案内”をご参照ください。
http://www.43navi.com/web/upfiles/download.php?n=000862
● 貸付対象企業:
①新型コロナウィルスの影響で業績が悪化:
最近1ヵ月の売上が前年(ないし前々年)同月売上より5%以上減少
②中長期的には業況が回復して発展が見込まれる中小企業
● 資金の使いみち:
新型コロナウィルス感染症の影響による社会的要因等で必要な長期運転資金と設備資金
● 貸付金額:上限3億円(別枠)
● 利率(年):貸付額1億円以下⇒当初3年間:基準利率(注)ー0.9%、その後:基準利率
貸付額1億円超 ⇒基準利率
(注)基準利率は、2020年3月17日現在1.11%。
● 返済期間:運転資金 15年以内(据置期間:5年以内)
設備資金 20年以内(据置期間:5年以内)
● 担 保:無担保でOK!
◆ 特別利子補給制度(ほぼ無利子となる制度)の概要
上記特別貸付を受けている中小企業で次に当てはまる場合は、事実上ほぼ無利子となります。
● 対象企業:①上記特別貸付を受けている中小企業
②最近1ヵ月の売上にその後の2ヵ月を含む3か月間のうちのいずれかの1ヵ月で
比較し、売上が20%以上減少
● 無利子対象金額:上記特別貸付のうち、1億円以下の部分
● 無利子の期間:当初3年間
● 無利子部分:上記特別貸付のうち、1億円以下の「基準利率-0.9%」の利子(注)
(注)実際は、一度公庫に利子も返済し、その後支払済みの利子を別機関から補給。
保証協会融資や融資のスピード調達方法は?
公庫以外にも、公的なところでは保証協会を通じた融資があり、また、後述のように都道府県や市区町村単位での融資・補助などの支援制度もあります。
◆ 東京信用保証協会の新型コロナウイルス感染症対応緊急融資
● 貸付対象企業など:
①新型コロナウィルス感染症で事業活動に影響を受けている
②最近3ヵ月の売上実績か、今後3か月の売上見込みが、昨年12月以前の直近同期比5%以上減少
● 貸付金額:上限2億8千万円 ● 利率(年₎:1.7% ● 保証料:なし(全額、東京都が負担)
◆ 資金のスピード調達、金利減免ならこちら!
緊急に資金が必要な場合は、次の方法で短期間に低金利などでの調達余地があります。
● メガバンクなど金融機関での緊急対応融資
たとえば、三菱UFJ銀行では中小企業向けのオンライン融資で、新型コロナ感染拡大の影響を受けた取引先企業向けに短期間に融資を実行しています。
・手続き:オンラインでの申告のみ、入出金履歴をAIが分析して判断
・利率(年):最大年4%を優遇
・その他:最短2日で融資を実行
他のメガバンクなども支援策を行っていますので、自社の取引銀行のHPなどをお見逃しなく!
● 生命保険の契約者貸付制度での借入れ
積立タイプの生命保険の解約返戻金の範囲内で貸付が受けられる制度で、”契約者貸付”と呼ばれています。皆さまの会社でも生命保険に加入されていれば、まず借入れ余地をチェックしましょう。もし余地があれば、簡単な手続きで銀行融資よりずっと速く資金調達ができます。
具体的には、申込みに必要な書類をすべて用意して、保険会社に提出すればおおむね1週間以内に資金が口座に振り込まれ、運転資金などを確保できます。
・貸付金額:上限は、既存の生命保険の解約返戻金
・利率(年):金利減免の保険会社もあります。
・その他 :資金調達とは直接関係ないものの、保険料支払い猶予の延長サービスや、被保険者が感染し
たら見舞金(5万円)を支払うなど保険会社ならではのユニークなサービスも(各社HP参照)
・デメリット:生命保険の予定利率に上乗せされるため、若干金利が高い点。
日本中の新型コロナ支援策のご紹介!
全国各地(市区町村単位)での新型コロナウィルス感染症対策関連の緊急支援策を一覧で探すことのできるサイトをご紹介します。常に更新されていますので、日々ご覧いただく価値も。
◆ 都道府県別、市区町村別の緊急支援制度の紹介サイト
多くは、緊急経営支援資金(返済期間5年の無利息融資など)や経営相談ですが、新型コロナウィルス感染の急拡大で、皆様にはこうした取り組みで、(政策金融公庫以外でも)いざという際の資金調達ができる余地を認識されておくことが大切です。
【新型コロナウィルス関連情報提供サイト】
https://j-net21.smrj.go.jp/support/tsdlje00000085bc.html
上記Urlをクリックすると「全国の都道府県別の一覧」が表示され、確認されたい都道府県名をクリックすると「(例)東京都と各区で実施されている緊急対策」が表示されます。
会社の所在市区町村や都道府県別の案内が網羅されており、非常に便利ですので、ご活用ください。
◆ 資金の借入れについてのアドバイス
資金の借入れは無利息でも返さねばなりません。(将来の景気回復や受注増が読めない現状では)可能な限り設備投資(修繕含む)や出費削減を優先して、その上で最終手段として借入れに頼られるよう、お勧めします。
こうした借入れに頼る前に自社でやれることを優先して、このようなピンチを”業務改善の絶好の機会”に置き換える努力をしておけば、新型コロナウイルス感染が落ち着きを見せた後に”答(業績など)”として返ってくるものです。
誰もが苦しい状況に置かれています。役員・社員一丸で、この機を乗り越える努力をしていきましょう。
上記記事は、感動相続!サイトを運営する英和コンサルティング株式会社と英和税理士法人から提供されております。なお、同社グループサイトでは、「新型コロナウィルス対策関連での各種支援対策」などをご紹介し続けています。
https://www.eiwa-gr.jp/