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あんしん経営

社長の退職金はいくらが妥当!?その計算方法は?

2015年10月28日

支給するなら、やり方(手続き)をきちんとする!

 同族会社では「決算節税対策や事業承継時の株価引き下げ対策」としてよく利用される”役員退職金”ですが、それだけに税務署にも目をつけられやすく問題になりやすい点でもあります。役員退職金の支給手続きや支給金額に注意を払わないと対策どころでなく、とんでもないしっぺ返しに会うことに!
 今回は、同族会社の役員退職金の支給の際の注意すべきポイントをご紹介しましょう。
◆ 手を抜きがちな”書類の整備”! 
 同族会社でありがちな”お手盛り”との疑いを払拭するには、●役員退職慰労金規程(内規でもOK)、● 支給に関する株主総会議事録や取締役会議事録の作成が重要です。会社のルールとして事前に役員退職慰労金規程(内規)を定めておけば透明性が確保でき、さらに株主総会で退任役員への退職慰労金の支給決議をして議事録に記載します。総会での決議内容は、一般的に「退職慰労金を贈呈する事実の承認」と「支給時期の明示」で、具体的な支給金額や支給方法などはその後開催の取締役会一任するケースが多く見られます。
◆ 資金繰りが苦しく,すぐに支給できなければどうする?
 あまり知られていませんが、退職金の分割払いも認められます。取締役会で「支給時期」のほか「支給終期」(最終支払日)や「各支払時期ごとの支給金額」を決めておくことが大切です。また、長期間の分割払いは”利益調整”と見られかねず、最長でも2~3年以内の分割支給がオススメです。

退職金はどうやって決める?実は,金額算定は難しい!

◆ 広く使われているのは「功績倍率法」! 
 社長や役員の退職金はいくらが妥当なのか、決め方はどうするのかなど、答えを出すのは難しいものです。税務上は、過去の会社への貢献や業績、同業他社の退職金の支給状況などと比較して妥当な金額ならよいとしていますが、そんな訳のわからない表現では退職金額を決められません。そこでいろいろな方法が考えられましたが、日本で最も同族会社でよく用いられる計算方法が「功績倍率法(通算方式)」です。この方法では、会社への貢献度を”功績倍率”として加味して退職金を算定します。また功績倍率は、透明性と公平性を保つために役員退職慰労金規程に、役職別に定めておくとよいでしょう。
◆ 功績倍率は何倍までならOK?
 実際には会社の状況次第ですが、判例や裁決を参考にすると代表取締役(特に、創業者)でおおむね3倍とされているようです。これ以上の倍率を採用するケースでは、具体的な根拠が求められる可能性が強く、それなりの注意や税務調査への覚悟が必要です。
◆ 具体的に計算してみよう!
 前述の「功績倍率法(通算方式)」のほかに、大手企業では役職別に積上げていく「功績倍率法(積上方式)」を採用しているケースもあります。これらの2つの計算式を用いて役員退職金を計算してみましょう。

● 功績倍率法(通算方式):中小企業向け
 退任時の最終役員給与(月額)を元に、在任年数と功績倍率を乗じて求める方法です。
≪計 算 式≫
 役員退職慰労金=最終月額報酬×役員在任年数×功績倍率
・役員在任年数:役員就任時から退任時までの通算在任年数
・功績倍率  :会社への貢献度を示す倍数(一般的に、代表取締役で2~3倍)
≪具体例による役員退職金額≫
 役員退職金=100万円×23年(社長10年+専務8年+取締役5年)×3倍=6,900万円

● 功績倍率法(積上方式)
 社長在任期間(10年間)は3倍、専務期間(8年間)が2.5倍、取締役期間(5年間)は1倍というように、それぞれの役位とそれぞれの役位での最終月額報酬ごとに、退職金を計算し合計額を求めます。
≪具体例による役員退職金額≫
 役員退職金=100万円×10年×3倍+80万円×8年×2.5倍+50万円×5年×1倍=4,850万円

 6,900万円と4,850万円と、大きな差が生じます。会社に適した方法を選ぶことが大切です。

退職金を増やすための、お手盛り役員給与の増額は?

 高額な退職金をもらいたいからといって、退任直前に役員報酬を安易に増額すると大変です!支給した役員退職金のうち、税務署が過大と認定した部分は会社の損金(経費)にはならず、役員給与(賞与)として法人税などが課税され、一方、退職金支給時に所得税を徴収されていればそれはそのままの扱いになってしまいます。また、株価引下げ対策も兼ねていようものなら、引下げ効果も得られないという、三重苦の結果を招くことに!
 事業承継対策では、役員退職金についても、経営計画同様に早めにスケジュール化して、役員報酬の増額にしても中長期で適切な準備が欠かせません。

 次回は、役員の地位が変更され、職務の内容がガラリと激変したことで退職金を支払うことができる「分掌変更後の役員退職金」の留意点などについてご案内いたします。



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