感動相続

文字サイズ大中小

あんしん経営

辞めた後、会社に残っていても退職金がもらえる!?

2015年11月4日

 社長、専務などを退任した後でも、取締役相談役や監査役などで会社に残るケースはよく見られます。そうしたときに、退任後も会社に残って役員報酬をもらい続けるケースであっても、退任時に”退職慰労金”をもらうことができるのです。もちろん、どんな場合でも”役員への退職慰労金”が会社の損金(経費)として落とせるわけではありません。
 適切な方法でなら、”退職慰労金”も、社長などを退任後の”役員報酬”も損金となるのです。

”分掌変更による退職”がキー!

◆ "分掌変更"とは?
 役員の分掌変更は、役員の地位が変更され、職務の内容がガラリと激変することをいいます。具体的には、代表取締役社長が非常勤の相談役になったり、取締役が監査役になったりするケースがこれに当ります。
◆ 会社に残っているのに退職金が支給される!?
 取締役などの役員は従業員のように会社との雇用関係はなく、会社(株主)から委任されて会社の利益のために経営を担う重要な職務が与えられ(委任関係)ています。”分掌変更”は委任された重要な職務から離れること(経営の第一線から退くこと)を意味しており、他の委任業務に就いたとはいえ、”実際に退職したものと同じ状況”と考えられるので、退職金が支給されるワケです。

税務当局が考える”分掌変更による退職”とはこれだ!

◆ 形式基準では、職務内容の”激変”と給与の”激減”がポイント!
 法人税法そのものには、”分掌変更による退職”として認定されるケースを定めていませんが、国税当局による法人税法基本通達(法律ではない)では、つぎのように”分掌変更”を取り扱うとしています。

 形式基準では、①「常勤役員から非常勤役員への就任」は、役員としての地位や職務内容が大きく異なること、②「取締役から監査役への変更」は、同じ役員でも経営の舵取り役から業務や会計の監査へとその性格がガラリと変わることから、”実際に退職したものと同じ”としています。
 とはいえ、役員の地位や職務内容などが激変していても役員報酬が同じでは本当に”実際に退職”とは考えられないので、③役員報酬をこれまでの半分以下にするように求めています。
【ワンポイント・レッスン】
 こうした基準をご案内すると、それなら退任直前に役員報酬を増やしておけば●退職金は多額計上でき、●減額する役員報酬も事実上高止まりさせられるとお考えの向きが。こうした退任直前の報酬増額は、「経済的合理性を欠く不自然な会計処理」として、税務調査で退任の事実を否認されかねないので注意が必要です。
◆ 退職金の未払計上はダメ!?
 上表の④では”原則、退職金の未払計上はダメ”としていますが、前号の記事にもあるように、資金繰りの問題など経済的合理性があれば「支給総額」「支給時期」のほか「支給終期(最終支払日)}や「各支払時期ごとの支給金額」を決めて透明性を確保しておけば、未払金計上や分割支給も認められています。

最終的には実質基準で判断するのが重要!

◆ 辞めた形をとるのはもっての外!
 単に肩書きを変えただけではダメで、(後継者の経営能力が不安だからといって)以前同様に経営に積極的に携わっていると形式基準を満たしていても、「退任したこと」にはなりません。事実上、退任後も会社の経営にタッチしているなど、経営上の主要な地位にあれば退任とは認められず、退職金を支給したとしてもその損金性を否認される結果に。
 十分な引き継ぎ期間をとって後継者の育成と権限委譲を図った上で、社長などの退任による分掌変更をされることが、適切な事業承継(+経営承継)を進める上でも大切です。安易に”巨額の退職金”や”分掌変更後の多額の役員報酬”の支給を行わぬようにしましょう。
◆ 目に見える環境作りもポイントの一つ!
 代表取締役社長を退任したのに、以前のまま社長室にいては”本当に退任したの?”と勘ぐられます。社長室は後継者に譲り、社内外に代表取締役が交代したことを公表するなど、目に見える環境作りも重要です。

お問い合わせは
「英和コンサルティング株式会社/英和税理士法人」まで
無料相談受付中 相続のことならお任せ 03-3491-3811(代) 営業時間/9:00~17:30 定休日/土、日、祝日
メールフォームでのお問い合わせホームページはこちら
おすすめ記事
よく読まれている記事
PAGE TOP